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“フリーバッティングだけなら世界一” 日本ハム・大田泰示は覚醒できるか

投げても140km後半を記録する身体能力を誇る

「練習も髪型も、何事も自由にやらせてくれる日本ハムで、ノビノビやれているということでしょう」(スポーツ紙デスク)

 昨年オフ、巨人から日ハムへ移籍した大田泰示外野手(26)が12日のロッテ戦で、自身初の1試合2本塁打を放った。今季のホームランは早くも5本。8年間在籍した巨人時代の通算本塁打は9本だったから、新天地で好スタートを切った、と言えるだろう。

 大田は巨人時代も「フリーバッティングだけなら世界一」と原辰徳前監督に潜在能力を高く評されていたが、巨人では“ゴジラの呪縛”に苦しんだ。

「08年に東海大相模高校からドラフト1位で入団した大田に、球団は松井秀喜氏の背番号だった『55』を託した。原監督にしてみれば、自身の母校出身の大砲に“ポスト松井”を期待したんでしょう」

 とベテラン記者は語るが、その背景にはこんな“事情”もあった。

「『長嶋監督のうちはメジャーには行かない』と言っていた松井は、原監督になったら、FAで出て行った。2人の関係は微妙です。だから球団も55を、あっさり大田に渡したんですが、球団内でも『大田が可哀想』という声が結構あった」(同前)

“球界の紳士”を自負する巨人の厳しい風紀も「元々は髪型を気にするチャラ男(笑)」(前出・デスク)という大田には合わなかったようだ。

「日ハムはその点、何でもあり。大田も早速茶髪にして、モヒカンに無精髭、金のネックレス姿だった中田翔に可愛がられて、うまくやっているようです(笑)」(同前)

 新天地で大田はその才能を開花させられるのか。

「巨人では練習を休むにはコーチの許可が必要ですが、日ハムでは選手が自分で体調を判断して休んでもいい。選手を大人扱いする半面、サボろうと思えばサボれるチームということ。今のところ大田は、危機感をもって自主的に練習をしているようで、それで結果も出ている。今後の課題は実力派のパの投手が本気で対策を講じてきたときにどうなるか。当たれば飛ばす力はあるけれど、アウトコースの変化球にクルクル空振りするところは変わってない(苦笑)」(前出・ベテラン記者)

 正念場はこれからだ。