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坂崎 仁紀
2017/05/23

本千葉の国道357号線沿い トラック野郎も愛する超ワイルドな立ち食いそば屋

ゆで卵ドボン! 男は黙ってそばを食う

genre : フード, グルメ

 あなたが一番好きな立ち食いそば屋はどこですか?

 立ち飲み屋で飲んでいると、まわりの常連さんとついつい立ち食いそばの話をしてしまう。私の場合、それしか話題がないから仕方がない。

 そんな時、いつも聞かれるのが、「一番好きな立ち食いそば屋はどこですか?」という質問だ。

 そう訊ねられた時はいつも逆に「あなたが一番好きなのはどこですか?」と聞き返すことにしている。先日も、新橋駅前ビルの喜楽で飲んでいたら隣にいた阿部克巳さん(52歳)から同じように質問されたので聞き返した。すると、阿部さんは待ってましたというように話し出した。

「本千葉の寒川そばです。さりげない素っ気ない味だけど、そのバランスが言うことなしです。店が昭和っぽいのもいいんです」

 都心の有名店を差し置いて、「寒川そばが日本一うまい」とは大したものだ。その視点に妙に感心したわけである。

それで「寒川そば」に行ってみることにした

「寒川そば」は本千葉の街道沿いにある孤高の立ち食いそば屋だ。

 本千葉駅あるいは蘇我駅から歩いて十数分はかかる国道357線沿いの立地だ。

 スキー場のロッジみたいなかわいい三角屋根の店といえば、見覚えのある方も多いだろう。

 店の正面には交通量の多い357号線、京葉線の高架が見え、その向こうには運河があり、そのさらに先には千葉の港が広がっている。海風が吹き、港湾からの音が響く。

ロードサイドにある「寒川そば」

 私が訪問したのは土曜の昼前、太陽がまぶしく温かい日だった。店前には自家用や商用の車が停車している。車でそばを食べにきている客が多い。散歩がてら来店する高齢の常連さんもいる。

 早速入店してみる。店は意外に広く、大きなL字の黒いカウンターが厨房を囲む。
カウンター上の各所には、沢山のゆで卵が置いてある。1個50円。

店内には市川由紀乃「はぐれ花」などの演歌のポスターが貼ってある
ごろっとゆで卵が置いてある。50円
常連たちは殻をむきながら、そばを待つ

 常連さんたちは入店してすぐそばなどを注文し、同時にゆで卵をカウンターに打ち付けておもむろに殻をむき出す。

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