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【巨人】江川、斎藤、上原……古すぎて新しい男・菅野智之は過去の大エースを超えていく

文春野球コラム ペナントレース2017

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久々に全盛期をNPBで過ごすスーパーエースの出現か?

 ……って、なんかハッピーエンドみたいな雰囲気になってるけど、まだ27歳。野球人生はこれからも続いていく。背番号19は今後どういう投手を目指していくのだろうか。個人的に楽しみにしているのは、絶対的エースになったあとの菅野である。

 最近の日本球界では、投手タイトルを独占して「もはや日本球界でやり残したことはない」というレベルに達すると、暗黙の了解でメジャー移籍という流れが定着している。スーパーエース=日本球界のゴールみたいな雰囲気。21世紀の日本のエース達はそのほとんどがFAやポスティング制度を行使して20代中盤から後半で海を渡っていった。

 だが、巨人では今のところポスティングでの移籍を認めていない。時代遅れという声もあるけれど、これは同時に少なくとも菅野がプロ9年目を迎える2021年シーズンまでは東京ドームでその投球が見られることを意味している。一部では2020年東京五輪は原さんが侍ジャパンの指揮を執るなんて報道もあるが、その頃30代に突入している菅野は順調ならば国内FA権を取得して、ぼちぼち海外FA権も視野に入って来る頃だろう。

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 誤解を恐れず書けば、将来的に菅野にはぜひMLBでやってほしいと思っている。アスリートなら世界最高峰のステージでプレーしたいと願う気持ちは当然のことだから。ただ、その前に日本球界に君臨する大投手の存在感を久々に味わってみたい。最近、20代後半の全盛期をNPBで過ごしたスーパーエースがいただろうか? 松坂大輔、ダルビッシュ有、田中将大、前田健太、みんな最高なときにメジャー移籍しちまった。嬉しいけど少し寂しいよ。今こそ期待するのは、日本を代表する大投手として若手スラッガーの前に立ちふさがる19番の姿。子どもの頃、テレビで観た江川vs清原にはワクワクした。だから、何年後かに球場で見られるかもしれない菅野vs清宮が楽しみだ。

 そんなの古い? 正直、俺もそう思う。

 菅野智之は現代に出現した、古すぎて新しい絶対的エースなのである。

 See you baseball freak……

※「文春野球コラム ペナントレース2017」実施中。この企画は、12人の執筆者がひいきの球団を担当し、野球コラムで戦うペナントレースです。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイトhttp://bunshun.jp/articles/2607でHITボタンを押してください。

【巨人】江川、斎藤、上原……古すぎて新しい男・菅野智之は過去の大エースを超えていく

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