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「財布がない!」 そんなときスマホで探せる「スマートタグ」の実用性をチェック

貴重品の紛失防止の救世主になるか?

2017/05/26
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 自宅内でスマホや携帯をどこに置いたかわからなくなって、家族に頼んで着信音を鳴らしてもらった経験のある人は多いはず。もしスマホ以外の貴重品、たとえば財布やキーホルダーも音を鳴らして置き場所がわかったら便利ですよね。

 これを実現してくれるのが、俗にスマートタグと呼ばれる製品です。多くは切手やコインほどの小さなサイズで、財布やキーホルダーに貼り付けておくと、スマホからの操作で音を鳴らしたり、スマホからの距離が離れると画面上にポップアップを表示して警告してくれたりします。

「あれ? どこ置いたっけ」はもう繰り返さない!?

「落し物発見器」「紛失防止デバイス」「忘れ物防止アクセサリー」などさまざまな名称で呼ばれるこれらデバイスは、最近になって「スマートタグ」という呼称が定着しつつあり、貴重品の落し物や忘れ物防止の強力な助っ人として注目を浴びています。

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さまざまなスマートタグを500円玉(左端)と比較したところ。価格は安価なものだと2000円台で、平均すると4000~5000円ほど

 今回は、近年にわかに活気づいているこのスマートタグの実用性がどれほどのものか、また購入にあたってどのような点に気をつければよいか、チェックしていきましょう。

スマートタグの機能やサイズは千差万別

 スマートタグの機能は、製品によってさまざまです。

薄型軽量が売りの「MAMORIO」。有効距離は約30m。充電不要で約1年間利用できる

 もっともシンプルなのは、スマホから距離が離れると通知が表示されて置き忘れを教えてくれる製品で、「MAMORIO」などがそれに当たります。

 ただし、スマホから距離が離れたことと、最後に確認された置き場所を教えてくれるだけですので、盗難などで故意に持ち去られるとお手上げです。音や光での通知機能もありませんので、部屋の中でどこに置いたかを探す目的にも向きません。

 いっぽう、スマホからの操作で音を鳴らせるタイプもあります。これなら室内での置き場所を探すのにも重宝します。「Stick-N-Find(ステッカー・ファインド)」などがそのタイプで、約45mの範囲であれば検知が可能で、音や光を発して置き場所を知らせます。

「Stick-N-Find」はスマートタグの元祖といえる製品。電池式で約1年利用できる

 モードを切り替えれば、駐車場で車の位置を確認したり、空港でスーツケースが流れてきた際に通知を受け取るといった目的にも使えます。

多機能スマートタグ「Tomoru」。電池式で約半年利用できる。iOSとAndroidで提供アプリの種類が異なり、完成度にもかなり差がある点には注意が必要

 さらに、上記のような使い方に加えて、スマホで取得した天気情報をもとに、雨が予想される時にはLEDが点滅して傘を持っていくよう促してくれたり、スマホに着信があったことをLEDで通知してくれる付加価値付きの製品もあります。

「Tomoru」がその代表例で、さまざまなアプリが用意されており、目的に合わせて組み合わせて使えます。

必ずしも多機能な製品がいいわけではないのがスマートタグ

 ここまでの説明を読んで「なるほど、じゃあ多機能な製品のほうがいいよね」と思った人も多いかもしれません。しかし、必ずしもそうではないのが、スマートタグ選びの難しいところです。

 というのも、音や光を発するためのLEDやスピーカーを搭載することで、本体の厚みは増し、財布やキーホルダーに取り付けた際の違和感が増すからです。LEDもスピーカーもない代わりにスマホ側で通知を出すだけのシンプルな製品のほうが、本体が薄く小さく、持ち物に取り付けても存在を感じません。

前述の3製品の厚みの比較。かなりの差があることがわかる。左から「MAMORIO」、「Stick-N-Find」、「Tomoru」