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加藤 俊徳
2017/06/07

1万人の脳画像でわかった 40歳からの脳の鍛え方

明日からできる脳力10大活用術

何もしないと脳の老化は50代に加速する。
マンネリ脳、省エネ脳にならないためにはどうすればいいのか。

◆ ◆ ◆

 私はMRI(磁気共鳴画像法)を通じて、胎児から100歳を超えるお年寄りまで、1万人以上の脳を診(み)てきました。

 その経験から見えてきたのは、「脳の使い方を脳画像から読み取れば、その人の生き方がわかる」ということです。

 たとえば、意思決定を常に行わなければならない経営者の脳を見ると、意思決定をする脳の部位が発達していることがわかります。

写真1 MRIによる脳の断面図(加藤俊徳『ゆがみをなおせば、毎日のワクワクを取り戻せる! 脳コンディショニング』〔かんき出版〕より)

 写真1のMRI画像を見てください。これは脳の断面図で、黒く太い木の枝のように見えるのが、発達した神経細胞から伸びる神経線維の集まりで「白質(」はくしつ)と呼ばれます。この神経細胞同士を結び付ける「枝ぶり」こそ脳の個性です。

脳は死ぬまで成長する

 もう一つわかったことは、「脳は死ぬまで成長する」ということです。かつて脳科学は「脳は3歳で決まる」といっていました。しかし、それは間違いでした。確かに1歳頃から脳の神経細胞は減っていきますが、いくつになっても脳には使われていない未発達な神経細胞が山ほど眠っています。使い方次第で、脳は一生、変化し、成長します。

 たとえば、80歳でドラムを始めた男性の社長さんがいらっしゃいます。写真2の右の枝ぶり画像は、80歳のときの脳ですが、ドラムを始めて1年後の左の脳画像と比べてみてください。薄く表出されていた手足の動きを担う部位が、黒くなり生き生きと成長しています。これは小学生の脳の一年の成長に匹敵します。

写真2 80歳男性の脳(右)とドラムを始めて1年後の脳(左)(加藤俊徳監修『老けない脳をつくる生活習慣』〔宝島社〕より)

 でも、使わないと脳は衰えます。特に50代からは脳の老化力がアップするので、何もしないと急速に老化していきます。ですから、40代になったら、現在の脳の状態を知り、自覚的に脳を鍛えてほしいのです。それが50代以降の脳の老化を防ぎ、脳の持続的成長を促します。40代が運命の分かれ道なのです。

 では、どのように脳を鍛えればいいのか。最も重要なことは、使っていない脳の部位を使うことです。

図1 8つの脳番地の位置

 私は機能別に脳を「思考系」「運動系」「視覚系」「感情系」「理解系」「聴覚系」「伝達系」「記憶系」の8つに分け、それぞれを「○○系脳番地」と呼んでいます(それぞれが脳のどの部分にあたるのかは、図1を見てください)。

 あなたがいつも使っている脳番地は、これからも使われる可能性が高い。しかし、脳は同じ使い方を続けると、楽をしようとして、省エネを覚えます。1時間かかったことが、30分でできるようになります。若いころは、これは「進歩」でしたが、50代に入ると、この脳の省エネ化は「退化」を招きます。

 一方、使っていない脳番地は、あなたがこれまでの人生で、あまり使ってこなかった脳番地ですから、50代からは急速に老化していくでしょう。だからこそ、先ほども述べたように40代のうちから、自分が使っていない脳番地を鍛える習慣を身につけることが大切なのです。

 しかし、40代の特に男性は、脳を鍛えるどころか、脳の使い方がマンネリ化し、著しい省エネ脳になりがちです。

 40代の女性は、仕事をしながら、家事や育児をし、地域社会でも様々な関係を築いていきます。だから、様々な脳番地が開発されて、マンネリ脳になりにくい。

 その間、男性は何をしているかといえば、机に座って、パソコンに向かっているだけ。給料が上がり、地位が上がると、現場を離れて、現状に満足してしまい、脳が衰える。この悪循環にはまってはいけません。

 さて、40代で使っていない脳番地を使いはじめるとどうなるか。その脳番地は急速に成長します。つまり、これまで使っていない脳番地は、あなたの脳の「伸び代」なのです。

 では、使っていない脳番地を使うにはどうすればいいのか。その答えはあなたにとって、できるだけ「新しい」ことをすることです。それは、これまで使っていた脳番地の省エネ化を防止するのにも役立ちます。

 使っていない脳番地に「新しい」刺激を与える。それが脳を鍛える最良の方法です。

 それでは、脳番地ごとに、どんな人がその番地を使っていないのか、使っていないとどんな症状が出るのか、そして、その番地に「新しい」刺激を与えるにはどうすればいいのか、を順番に説明していきましょう。

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