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「宅配便ボックス」バブルは到来するか?

「宅配クライシス」から「魔女の宅急便」まで、新聞読み比べ

2017/06/16

「日本では届けた商品が盗まれることはまずない」は本当か?

 では配達が重要な鍵となる通販会社はどう対応しているのか。探してみたら興味深い記事があったので紹介しよう。

「通販各社、成長の危機 ヤマト値上げ交渉本格化 」(日本経済新聞 電子版・5月19日)

「通販生活」は「小社では昼12時~14時までの配達ご希望はお受けしません」と夏号の表紙で宣言した。

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 驚いたのは「ファンケル」の対応である。

《ファンケルは自転車のカゴやガスメーターボックスの上など、顧客が留守の場合の商品の置き場所を指定するサービスを広げる。》

 え、自転車のカゴ? 留守の場合はそこに置いとくの!?

ファンケルのHPには、宅配場所指定についての説明もある

 私の驚きをよそに、ファンケル社長の自信満々のコメントが載っている。

《「日本では届けた商品が盗まれることはまずない」(島田和幸社長)》

 気になったので調べてみるとファンケルは97年から「置き場所指定お届け」をスタートさせており、その実績から今回さらにサービス拡大を決めたのだ。自転車のカゴの他には物置、車庫、ガスメーターボックスなども指定することができる。留守対応が原点へ。へ~。

 ちなみに、

「留守宅 遠隔解錠宅配受け取り」(日本経済新聞・5月21日)

 という記事もあった。外出時に来訪者をスマホ画面で確認し、住民が不在でも宅配物を玄関内に置けるようにする実証実験である。約20社と経産省が実用化を構想しているという。

「自転車のカゴに入れてもらう」と「遠隔操作で解錠」。

 原始的(だけど実績はある)と、最先端(だけどホントに大丈夫?)。

 あなたが不在ならどっち?

©時事通信社
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