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【西武】見た目から誤解を招きやすい森繁和監督の素顔とは?

交流戦 指名対決 テーマ「森繁和」 文春野球コラム ペナントレース2017

2017/06/18
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面倒見の良さ、決断力、誠実さなど、どれをとっても「監督の器」

 千葉・一宮町出身、子供のころから九十九里海岸での海釣りが趣味で、スポーツ紙でコーナーを持つほどの腕前。ただ、エビを食すのが苦手で、理由を聞くと「あれはタイを釣るための餌なので、人間の食べるもんじゃない」と。また、ピーマンが苦手ながらも「青椒肉絲」はOK。私もまったく同様で「同志」の感が深まったものです。

 駒大の先輩・後輩ということもありプライベートでの交流も。お互いの実家を行き来したことがある野球関係者は森だけです。なので、あの風貌から「森の父親は○○組の幹部らしい」との噂話を聞いても一笑に付すことができました。普通のサラリーマンのお父さんですから。ただ、森の若い頃、スーツの裏地が「虎柄」だったのには閉口しましたが、個人の趣味に口を挟むのは無粋です。

 西武で根本陸夫監督時代の試合中、ブルペンに向かうためベンチ内でスパイクに履き替えていた時、投手交代を告げに球審に向かう根本監督と一瞬目が合いました。そして、根本監督の口から出たのが「ピッチャー、森!」。「え~!」とのけぞった森。まだ投球練習開始前なので当然肩はできていません。しかし、監督から一度伝えられたらマウンドに向かい、投げるのがルール。当時はマウンドでの8球(現在は5球)だけの投球練習で、何とか相手打者を抑えました。

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森繁和後援会の宴会時 前列右から3番目が森、前列左から2番目は杉本正(当時投手) ©中川充四郎

 見た目から誤解を招きやすい森繁和監督。ただ、一緒に時を過ごしたユニホーム組やメディア関係者の信頼度はかなり高いのです。面倒見の良さ、決断力、誠実さなど、どれをとっても「監督の器」であるのは間違いありません。何人もの監督に仕え、自身が監督になった今、誰の影響が一番強いのかジックリ聞いてみたいものです。多分、私の想像通りの先発から抑えに転向させた監督でしょう。

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※「文春野球コラム ペナントレース2017」実施中。この企画は、12人の執筆者がひいきの球団を担当し、野球コラムで戦うペナントレースです。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイトhttp://bunshun.jp/articles/2974でHITボタンを押してください。

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