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イチロー日米通算安打数で“P・ローズ超え”の意味

source : 週刊文春 2016年6月23日号

genre : エンタメ, スポーツ

本人は淡々としている
Photo:Kyodo

 マーリンズのイチロー(42)の日米通算安打数が、ピート・ローズのメジャー歴代1位の記録(4256安打)にあと4本と迫っている(数字は6月12日現在。以下同)。メディアは「さあカウントダウン」「新伝説へ猛スパート」と早くも大盛り上がりだ。

「現地には日本のメディア関係者が増えており、その日を迎える準備は万端です」

 こう語るスポーツ紙デスクは、「ただ、現地の報道とは温度差がある」と指摘する。

「マーリンズの地元・マイアミで12日、サンセンチネルというメディアに『イチローにとってローズのヒットの数を追うことは重要ではないが、日本では大騒ぎ』という見出しの記事がありました。地元紙ですら好意的に紹介していないんですよ。多少は話題にはするけど記録としては認めない、というスタンスですね。それも当然のことで、MLBもNPBも日米通算の数字を記録として認めていません。認めているのは日本の名球会ぐらいですからね(笑)」(同前)

 名球会が日米通算の数字を記録として認めているのは、「そうでもしないと新規会員が増えないから」(同前)だという。もっとも、イチローは名球会入りを拒否している。

 イチロー自身は“P・ローズ超え”をどう考えているのだろうか。

「関心がないように振る舞っていて、地元紙の取材に対して『小さいことだとも思わないけど、大きなことだとも思わない』と、いかにも彼らしい、もったい付けた言い方をしています(笑)」(同前)

 現地で取材する記者が解説する。

「マーリンズでは去年、外野手に怪我人が出てイチローが153試合に出場しましたが2割2分9厘という低打率に終わった。首脳陣は使い過ぎて疲労させてしまったためだと判断して、今年は起用に慎重になっています。そのため、たとえ記録がかかっていても“第4の外野手”の立場は基本的に変わりません。

 もっとも、あと26本で達成するメジャー通算3000本安打という大記録について、開幕前は『今季中の達成は無理』という見方もあったほどですが、今のペースでいけば7月中に達成するかもしれない。大したものです」

 本当に騒ぐべきときは、もう少し先のようだ。

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