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【オリックス】まるでライド系アトラクション バファローズのここまでの戦いぶりを振り返る

文春野球コラム ペナントレース2017

2017/06/24
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大阪新名物の絶叫ライド系アトラクション

 全世界数千万人のユニバーサル・スタジオ・ジャパンのファンの皆さんは、ライド系アトラクションの数々を心から楽しまれている事だろう。

 大阪市此花区に建つ世界有数の大型テーマパーク。通称「ユニバ」(関西勢はUSJとは言いません。あしからず)。実はそのお隣の大阪市西区と大正区の間、もう一つの大阪名物・京セラドーム大阪でも、今年はライド系アトラクションが目下フル稼働しているという。そう、2017年シーズンのBsが大阪新名物の絶叫ライド系アトラクションなのだ。

 何が凄いって、その高低差が堪らない。大型連勝と大型連敗を繰り返し走破するその疾走感。山頂から谷底まで超速で移動するスピード。我々Bsファンの内臓は常に持ち上げられた状態である。一度体験したら、試合後は決まってユニバーサル・スタジオ・ジャパンのCMを真似して、小声で「ワォ!」と呟いてしまうだろう。

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 せっかくなので文春野球をご覧の全国のライド系アトラクションファンの皆さんの為、今回は少し大阪新名物の絶叫ライド系アトラクションについてPRをさせてもらう事としよう。

ライド系アトラクションを楽しむことができる京セラドーム大阪 ©MEGASTOPPER DOMI

絶景を楽しんだ4月、その落下スピードに半ば気を失っていた5月

 あれは待ちに待った本拠地で迎えるプロ野球の開幕カード。3連敗という結果を目の当たりにした我々Bsファンは絶望の淵に立たされた。開幕3連敗という悪夢。しかし我々がドン底と思っていたその結果は、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでいう所のキッズエリア。所詮子供向きのジェットコースター「スヌーピーのグレート・レース」程度のものだったのである。子供でも耐えられるアトラクション。身長が122cmさえあれば誰でも乗れる程度のものだったのだ。

 3連敗が明けるや否や、まるで「ジュラシック・パーク」へと向かったような展開を見せる我々のBs。それも前半の上昇が心地よい「ジュラシック・パーク・ザ・ライド」。予期せぬ6連勝で我々の景色も明るく晴れていく。この後、アトラクション同様に奈落の底まで一気に滑り落とされる事を知らない我々Bsファンは「絶景かな絶景かな」と確かに浮かれまくっていた。6連勝が終わっても更に5連勝。我々の心の居場所はすでに高層ビルの頂上程の高さに差し掛かっていた。

 そこへ落下の時がやって来る。暦が5月の始まりを告げる頃、我々は4連敗を喫し高層ビルの頂上から一気に滑り落とされる事となったのだ。落下地点では大量の水を被り、対岸ではロッテ、日本ハム、西武のファンが大喜びで拍手で迎えてくれている。写メを撮っている者もいる。しかし何とかこの直滑降を乗り切った我々Bsファン。「何の為に上昇したんや!」と憤りながらも、連敗を抜けた安堵感に久々に心穏やかに勝利の美酒に酔いしれた。

 まだまだそれが、一瞬だけの安らぎであるとは思いもしなかった我々Bsファン。ここからの展開はまさに「ザ・フライング・ダイナソー」。空飛ぶ恐竜プテラノドンが我々を異次元の世界に誘うのだ。搭乗時の体勢から既に何処に進んでいるのかさえ分からないこのライド系アトラクション。右に左に上に下にと、とにかくひたすら振り回される。同じく我々も1勝、6連敗、1勝、9連敗と何処に進んでいるのか分からない状態でひたすら振り回されていた。その落下スピードと体勢に半ば気を失っていたのだろうか。大型連敗を脱してみれば、足はガクガク、内臓は持ち上げられた状態、千鳥足で交流戦に突入する事になる。もう「ワォ!」と小声で呟く事しか出来なかったのだ。

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