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【阪神】メッセンジャーの球宴“初”出場に立ちはだかる幾多の壁

文春野球コラム ペナントレース2017

2017/06/30
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メッセンジャーの前に立ちはだかる他球団のライバル

 たとえば先発投手では、ファン投票でメッセンジャーより上の2位に入った中日・バルデス。6月30日時点の彼はメッセンジャーの7勝を下回る4勝しか挙げていないが、防御率(2.14)と投球回数(92回1/3)はリーグトップである。しかも、今季のオールスターは第1戦が中日の本拠地・ナゴヤドームであることを考えると、いわゆるホームアドバンテージにより、バルデスが推薦される可能性は高いと言えるだろう。

 他にも巨人・マイコラスやヤクルト・ブキャナンが、先発投手としては一定の好成績をおさめており、クローザーでは阪神の同僚・ドリスがセーブ数トップタイ、さらに巨人・カミネロも防御率1点台。メッセンジャーの前に立ちはだかるライバルは実に多い。

 また、野手に目を向けると、中日・ゲレーロ、広島・エルドレッド、DeNA・ロペス、巨人・マギーなど、さらに強力なライバルが出現する。オールスターの華のひとつにパワーヒッターの豪快なスイングというものがあるなら、外国人大砲は欠かせないところだ。

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 そういう意味では、本塁打王争いのトップを走る中日・ゲレーロは、先述したように第1戦がナゴヤドームであることを考えても推薦当確かもしれない。もちろん、広島・エルドレッドも有力候補だ。なにしろ現在の広島はセ・リーグ首位を快走中で、さらに全セの指揮を執るのは広島・緒方孝市監督である。監督推薦とは、つまり緒方監督の推薦だ。

監督推薦でのオールスター出場に期待がかかるメッセンジャー ©文藝春秋

一番気の毒なのは、広島・緒方監督

 うーん、以上のことを客観的に考えると、虎党の私もだんだん不安になってきた。
ぜひともメッセンジャーには、あのウィリアムスでさえ果たせなかったオールスター出場の希望を叶えてもらいたいのだが、現実はあまりにライバルが多すぎる。

 果たして、広島・緒方監督はいったい誰を選ぶのか。外国人選手枠は残り2名。メッセンジャーの他に、投手ならバルデス(中日)、野手ならゲレーロ(中日)、エルドレッド(広島)あたりが特に有力候補か。いやはや、誰が落ちても少し気の毒なように思える。マテオがラッキーに見えるくらいだ。

 気の毒といえば、緒方監督自身もそうだ。さぞかし頭を悩ませるにちがいない。いっそのこと、外国人枠を撤廃するか、あるいは人数を増やせないものか。

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