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連載今夜も劇場へ

結城 雅秀
2017/07/07

封印された“過去”をめぐる家族の物語「アザー・デザート・シティーズ」――今夜も劇場へ

 昨年末、青年座で「砂漠のクリスマス」を観た。家族の秘密を巡る衝撃のドラマだ。今度は梅芸が「アザー・デザート・シティーズ」と題して制作。現代アメリカが直面する苦悩の源泉が家族の葛藤とともに描かれる。退職した筋金入りの共和党夫妻と寄生する妻の姉妹。夫妻の娘は離婚で鬱になっていた作家であり、昨年は安藤瞳が心優しく演じた。今度は寺島しのぶで骨太。

 麻実れいが共和党の活動家で、佐藤オリエが民主党の同居人を演じるのかと思っていたが、実際の配役はその逆。麻実れいは、「夜への長い旅路」「8月の家族たち」「炎」で成功を収めてきているが、今回、難局に直面するのでは? 演出の熊林弘高は、「夜への長い旅路」では緊張空間を造って成功したが、昨年の「かもめ」はワークショップのようになって散漫だった。

 麻実れいは単なるアル中の偽善者に陥ることを免れるのだろうか。

INFORMATION

「アザー・デザート・シティーズ」
ジョン・ロビン・ベイツ作、熊林弘高演出
7月6日~26日 東京芸術劇場シアターウエスト、29日~31日 大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて
http://www.umegei.com/other-desert-cities/