文春オンライン

“自民党の歴史的惨敗”にとどめを刺した珍言・暴言を一挙公開!

「もう遠慮なんかしない!」と吠えた安倍首相だったが……

2017/07/08

石原伸晃 経済再生担当相
「拍手を持ってオマヌケください」

アサ芸プラス 7月4日

 秋葉原での安倍首相の街頭演説の際、「拍手を持ってお迎えください」と言うべきところを噛んでしまった石原伸晃経済再生担当相。映像で確認したら、本当に「オマヌケ」と言っていて驚いた。そんなことがあるのか。

 単純な失敗エピソードなのだが、石原氏といえばかつて放射能汚染土の中間貯蔵施設建設をめぐって「最後は金目でしょ」と言ってしまうなど非常に失言が多い人物。コラムニストの小田嶋隆氏はツイッターで「石原伸晃は、おそらくブードゥーの呪術師に大切な場面で本当のことを言ってしまう呪いをかけられている」と皮肉った(7月2日)。

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そんなことがあるのか?と映像で確認するも、本当に「オマヌケ」と言っていて二度驚く ©文藝春秋

二階俊博 自民党幹事長 
「言葉ひとつ間違えたらすぐ話になる。私らを落とすなら落としてみろ。マスコミの人だけが選挙を左右するなんて思ったら大間違いだ」

朝日新聞 6月30日

新聞記者に「我々はお金を払って買ってんだよ」と語った二階氏にツッコミが殺到 ©時事通信社

 29日の応援演説でミサイル発射を繰り返す北朝鮮を「きちがいみたいな国」と表現した二階俊博幹事長。直後、記者団に対して発言を釈明、撤回したが、翌日の応援演説ではマスコミ批判を展開した。自民党への逆風をマスコミに責任転嫁した形だが、そもそもそれ、応援演説になってる? 

 二階氏はさらに「あんたらどういうつもりで書いているのか知らんが、我々はお金を払って(新聞を)買ってんだよ。買ってもらっていることを、やっぱり忘れちゃダメじゃないか」とも語ったというが、ネットでは「国民の税金で活動させてもらっていることを忘れちゃダメじゃないか」というツッコミが相次いだ。

 ちなみに二階氏は今年4月にも、「一行でも悪いところがあれば『けしからん、首を取れ』と。なんちゅうことか。それ(記者)のほうの首を取ってやったほうがいいくらい。そんな人はハナから排除して入れないようにしなきゃだめだ」(産経ニュース 4月27日)とマスコミ批判を行っていた。このときは産経新聞も「マスコミに恨み節」と突き放している。



稲田朋美 防衛相
「私としては、防衛省、自衛隊、防衛大臣としてお願いするという意図は全くなく、誤解を招きかねない発言であり、撤回をしたということであります」

TBS NEWS 6月30日

 6月27日、都議選の自民党候補を応援する集会で飛び出した稲田防衛相の「自衛隊としてもお願いしたい」発言。官邸に近いと言われる読売新聞も社説で「あまりに軽率で、不適切な発言である。自衛隊の指揮官としての自覚を欠いている」(6月30日)と叱り飛ばしたほどの失言だったが、30日に行われた謝罪会見も意味不明だった。稲田防衛相は「誤解」という言葉を35回も繰り返したが、何がどう「誤解」だったんだろう? 「自衛隊としてもお願いしたい」という言葉に「自衛隊としてお願いするという意図は全くない」と言われてもこちらは困惑するしかない。

 政治家がよく使う「誤解を招きかねない発言」という言葉について、ライターの武田砂鉄氏は、「自分の発言が間違っているわけではない、でも、理解力が無いメディアや有権者が誤解しちゃいそうだから、撤回しておきますね、というもの。受け取る側の能力不足を匂わせることで、自身の失言自体をうやむやにする」ものだと指摘する(cakes 7月5日)。たしかに都議選を挟んで、稲田氏の失言は「うやむや」になりつつある。

「誤解」と35連発した稲田防衛相。どこをどう「誤解」せよと言うのだろうか ©時事通信社

 菅官房長官が「稲田は任にあらず。でも、総理がね」と吐き捨てたように、安倍首相はあくまでも稲田氏をかばいつづけるつもりらしい(『週刊文春』7月13日号)。8月上旬に予定されている内閣改造で稲田氏は交代させられる見通しだが……。