昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

連載THIS WEEK

本塁打は山田15本、柳田5本
“トリプルスリー男”の明暗

source : 週刊文春 2016年6月2日号

genre : エンタメ, スポーツ

三冠王+盗塁王も夢ではない山田
Photo:Kyodo

 ヤクルトの山田哲人内野手(23)が絶好調だ。48試合消化時点で本塁打数15と盗塁数12はリーグトップ、打率も3割3分1厘で4位だ(数字は5月23日現在。以下同)。“2年連続トリプルスリー”という前人未到の偉業に向かって突き進んでいる。

 スポーツ紙デスクが言う。

「やはり二人三脚と言われる杉村(繁)コーチの存在が大きいですね。『バッティングフォームはホームランを打った翌日から崩れ始める。いいときこそ調整すべき』という信条を持つ杉村さんの指導の下、試合前のルーティンである10種類以上のティーバッティングを今年も続けている」

 内野守備と走塁を指導している三木肇コーチの存在も大きいらしい。

「山田は盗塁のスタートの練習のとき、三木コーチから『状況によって配球を考えるのも大事』と、ずっと言われていた。ようやくその言葉が響いたのか、今年のキャンプの頃からスコアラーが集めたデータを見るようになったそうです(笑)」(ベテラン記者)

 一方、もう1人の“トリプルスリー男”、ソフトバンクの柳田悠岐外野手(27)は、打率2割6分7厘、本塁打5、盗塁6と勢いを感じられない。

 だが、四球の数だけは40で12球団一だ。

「4月には18戦連続四球という王貞治さん(当時巨人。現ソフトバンク球団会長)のプロ野球記録に並びました。くさいところに投げて四球でもいい、という厳しい攻めを受けている証拠です。本人も『なかなか甘い球が来ない』、『ボール球を追い掛けても打てないから』と言っています。今は打ちたい気持ちを抑えてバッターボックスに立ち、なかなか調子が上がらないといったところでしょう」(同前)

 ただ、前出のデスクによると、「そもそもパの投手の方がセよりレベルが高い」という。

「パの方が即戦力よりリスクをとってポテンシャルの高い投手を取る傾向にあり、それが実っている。さらに巨大戦力のソフトバンクに対抗するために競争原理も働いている。今季のセで柳田を抑え込めるのは巨人の菅野(智之)ぐらいとも言われており、交流戦では山田と柳田の立場が逆転する可能性もある」(同前)

 5月31日から始まる交流戦。2人の“直接対決”がある6月14日からの神宮3連戦も要注目だ。