昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

近田 春夫
2017/07/19

嵐の新曲「つなぐ」の調子の良さは、郷ひろみ以来のジャニーズ伝統芸――近田春夫の考えるヒット

『つなぐ』(嵐)/『おーさか☆愛・EYE・哀』(ジャニーズWEST)

絵=安斎肇

 今週……。

 ジャニーズもの二品という趣向ゆえ、こりゃタダ見タダ聴きはちょい厳しいかも? と、半分あきらめながらも無料投稿動画サイトで検索を試みると、7月3日午前中現在、嵐にジャニーズWESTどちらも――TV番組か何かの映像とは思うが――無事フルバージョン動き付き音源での鑑賞が可能のようであった。まずはめでたしめでたしといったところではありますが、それにつけてもアイドル業界。男子女子共々なんだかだと大小トラブルの連続で、結構大変そうに映ったりもする今日この頃だ。

 色々な意味で“伝統のシステム”にもひびだか綻(ほころ)びだかが生じ始めたってことなのかしらね。賢明なる読者諸兄はその辺りについてはどのような感じを持っておられるのでありましょうか?

 なんにせよ世代交代が滞っているのは事実だ。全体に於いて、超強力な後継者が一向に登場して来ていないというのは現実だろう。ぶっちゃけ、ゴタゴタなんかよりそっちなんじゃないすかね? 深刻な問題なのは……。

 ま、それはわかりきった話だとして、そういった文脈においてジャニーズ事務所などを眺めたとき、A&R(アーチスト&レパートリー)――歌手にどんな歌を歌わせるかという専門職的判断は、ますます重要になってくるだろう。

 理由はシンプルだ。大物、中堅、新人いずれにせよいわゆる“飛ぶ鳥を落とす勢い”に欠けているこのシーンの現状に鑑みて、絶大なアーチストパワーを頼んでの音源の売り上げアップといった構図は、少なくともここ当分は望めぬこと自明の理だからである。

 自然と、製作する側には楽曲そのものの魅力を見極めるセンスなりが、ますます問われるようになると思うのだ。

つなぐ/嵐(ジェイ・ストーム)作詞:paddy 作曲:Peter Nord・Kevin Borg。嵐の大野智が主演する映画『忍びの国』主題歌。

 そんな視点でもってあらためて今回の嵐をちゃんと聴こうとしたのだが、曲に行く前にタイトルが気になってしまった。『つなぐ』というのである。嫌な予感がする。この手のタイトルだとここ数年、経験上から申せば、歌詞は大体“人と人は助け合い励まし合いながら生きてゆく”的な倫理/道徳観の強い内容になっていて、俺は生理的にそういうのがすごーくダメな人間なのである。が結局、

 ♪かけがえない愛のため/たとえ別れが来たとしても あの時誓った/約束はLove

 だよ(笑)。これってなによこの調子のよさ! もう大昔の郷ひろみの『よろしく哀愁』とかの主人公と一緒じゃんさ。ホッとしたっていうか、もう笑ってしまいました。

 いやいや、この最初っから別れる時を想定して女の子とヘッチャラでやっちゃうストーリー展開こそジャニーズならではの禁断の世界だよん!

 変なところで納得の俺だったがしかし。何で『つなぐ』なんだろ? それはついに分からず仕舞いのままであった。

おーさか☆愛・EYE・哀/ジャニーズWEST(ジャニーズ・エンタテイメント)近ごろ流行りの「昭和バブル」なディスコミュージック。

 ジャニーズWEST。

 タイトルや衣装などからも狙いは分かる。だけど今ひとつ新鮮味には欠けてたね。

今週のビッグ対談「先週の週刊文春で大きく取上げられていて話題になってたけど、船越英一郎さんと松居一代さんの離婚調停の件ってさ、ある意味で奥さんに惚れられちゃって離してくれなくて大変ということだよね。そういう意味じゃ、内田裕也さんも同じ状況なんだけど、このふたりの対談ってどうかな?」と近田春夫氏。「題して、“もう勘弁してよ!”」

はてなブックマークに追加