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民主維新合流でも鍵を握った民社党の「勝ち馬に乗る」力

source : 週刊文春 2016年3月24日号

genre : ニュース, 政治

大内氏は自民党で2度落選し引退

 民主党と維新の合流による野党再編が進んでいた3月9日、かつての野党党首が86歳でこの世を去った。民社党を率い、細川内閣、羽田内閣で厚生大臣を務めた大内啓伍氏だ。

「大内氏は『民社党のプリンス』と呼ばれ、書記長、委員長を歴任した。小沢一郎氏や社会党、公明党と組んで、非自民の細川連立政権を作った立役者の1人。一方で、細川退陣後に、社会党を外した統一会派『改新』の結成に動き、反発した社会党が羽田政権を離脱し、非自民政権が崩壊するきっかけを作った。その後、民社党は新進党に合流するため、94年に解党しますが、大内氏は不参加を表明し、後に自民党入りしました」(永田町関係者)

 大内氏と袂(たもと)を分かった後も、民社系の議員たちはしぶとく生き残っている。

「出身議員の結束力は固く、旧民社グループとして、党内政局のカギを握ってきました」(同前)

 力の源泉は、支援団体の労働組合だ。自動車総連をはじめ、電力、繊維、鉄鋼などの民間労組が選挙で強力にバックアップするため、選挙に強く、当選した議員たちが、民主党内でも幅を利かせているのだ。

 旧民社系の議員たちは、現在も民社協会という政治団体に所属。トップは民主党の高木義明国対委員長で、元締め・川端達夫氏は衆院副議長の要職にある。

「ポスト獲得のうまさには定評がある。新進党では米沢隆氏、民主党では中野寛成氏、川端氏が幹事長を務めています。民主党政権時代は、ほぼ毎回複数の大臣ポストを得ていました」(民主党議員)

 それも、勝ち馬に乗るのがうまいからに他ならない。

 菅直人氏と小沢一郎氏が激突した2010年の代表選では、巧妙に菅氏陣営になびいた。2015年代表選では、岡田克也氏を支援し、勝利に貢献した。常に「主流派につく」というのが“党是”といってもいい。

 民主党、維新の合流では、

「当初から積極的だった。相変わらず、流れを読む力はある。安倍晋三首相に近い山谷えり子前拉致問題担当相はもともと民社党から参院選に出馬したほど、同党の外交・安全保障政策は保守的な色彩が強い。維新との相性もいいでしょう」(維新の党関係者)

 新党でも、党内は相変わらずバラバラと見られるだけに、旧民社グループが暗躍する公算は強そうだ。

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