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古森 義久
2016/11/19

日本バッシングのホンダ議員が落選
一難去ったが……

source : 週刊文春 2016年11月24日号

genre : ニュース, 政治, 国際

祖父母は熊本県から移民した
Photo:Kyodo

 アメリカ大統領選と同時に実施された11月8日の米連邦議会選挙で慰安婦問題での“日本叩き”で知られる民主党のマイク・ホンダ下院議員(75)が落選した。

 ホンダ氏は州議会議員時代から中国系の在米反日組織「世界抗日戦争史実維護連合会」に政治、財政両面で支援されてきた。01年にカリフォルニア州選出の連邦下院議員となって以来、慰安婦問題に関して日本糾弾の決議案を下院に出し続け、2007年7月には日本への謝罪要求決議案を本会議で採択させた。日系三世ながら日本の過去の行動を非難し続ける特異な存在だった。韓国系勢力とも親しく、慰安婦問題での日韓合意の後も日本批判を続けていた。

 そのホンダ議員が今回、9選目を目指した地元カリフォルニア州第17選挙区で対抗馬の同じ民主党新人ロー・カナ氏に敗れた。しかも得票率で39.8%対60.2%という大差での負けだった。

 75歳のホンダ氏に対しカナ氏は40歳、インド系アメリカ人でエール大学法科大学院卒の弁護士。8年前の大統領選ではオバマ陣営に加わり、オバマ政権の商務次官補代理ともなった。いわば民主党本流であり、知的所有権を専門とする弁護士としてハイテク産業界との結びつきも強い。外見もよく、弁舌もさわやかな活動家である。

 カナ氏は前回の2014年の下院選でも民主党の世代交代を狙って、ホンダ氏に挑戦したが、在職14年の総力をあげて反撃するホンダ議員に敗れていた。

 今回は、カナ氏に“追い風”が吹いた。ホンダ議員が過去の選挙戦で議員活動用の公的資金を選挙運動に回したという不正容疑で下院倫理委員会の捜査の対象となり、オバマ大統領もホンダ議員への推薦を撤回したのである。

 敗れたホンダ氏は今後は大好きなカラオケにもっと時間を費やすのだとか。

 日本にすれば、これでようやくアメリカ議会の反日議員が減ったと思いきや、そうもいかない。実は、カナ氏も前述の中国系組織の強力な支援を得て、すでに尖閣問題や慰安婦問題に関して日本批判を展開している。結局のところ、中国系組織がホンダ氏から若いカナ氏に乗り換えただけ、ともいえよう。一難去って、である。

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