文春オンライン

松居一代を支える「不倫許すまじ」な女性たちと、スピリチュアリズムの関係

速水健朗×おぐらりゅうじ すべてのニュースは賞味期限切れである

note

“魂の劣化”が不倫を招く?

おぐら 一方で、不倫をテーマにした「昼顔」の上戸彩はバッシングされてないんですよね。

速水 あっちは、プラトニック感があるからかな。不倫といっても、手をにぎってどきっとするみたいな、すごく純情ドラマなんだよね。

「昼顔」6月10日(土)全国東宝系にて公開 ©2017フジテレビジョン 東宝 FNS27社

おぐら というか「昼顔」の場合は、不倫をした結果、いろんなものを失って、いわゆるハッピーエンドを迎えなかったからだと思います。映画版のほうは、当人の気持ちは別として、客観的に見れば不幸な結末でした。

ADVERTISEMENT

速水 ちゃんと痛い目にあったから、納得できたのか。これは当てずっぽうなんだけど、過度の不倫嫌いってスピリチュアリズムと結びつく問題じゃないかと。

おぐら 不倫をするのは魂の問題?

©山元茂樹/文藝春秋

速水 スピリチュアルカウンセラーに聞いたことがあるんだけど、浮気する人間は、霊性の低い生き物なんだって。

おぐら 不倫と霊性の関係については、考えたことなかったです。

速水 不倫と霊性どころか、日常で霊性についてなんて考えないよ。

おぐら 他人の家庭を壊すのが悪いとか、人を裏切ることは罪だとか、そういう問題じゃないってことですよね。

速水 うん、倫理とか以上に、魂の劣化の結果が不倫であると。スピリチュアルな恋愛においては、肉体は二の次なんだよね。霊的に結ばれた相手とはセックスは関係ない、みたいな。上戸彩が許されるのは、そのへんもあるのかも。

おぐら 霊性が低いとか、魂の劣化とか言われちゃうと、もう何も言えないですよ。

速水 サブカルは霊性の低い生き物だとかね。

おぐら おっと、サブカルの悪口はそこまでだ!

速水 でも不倫嫌いの人たちの中にも、自分は不倫してたり、過去に経験がある人はいると思うけどね。それは表には出したくないのかな。

©山元茂樹/文藝春秋

おぐら 不倫を許せない人たちが驚くほど多いのと同じように、不倫してる人、したことある人も驚くほどいますよ。それこそ「1匹いたら100匹いると思え」です。

速水 ヒアリか!

おぐら 一度でも定着してしまうと、根絶は困難だそうです。

速水 不倫もクセになるとやめられないって言うしね。

新・ニッポン分断時代

速水 健朗(著)

本の雑誌社
2017年6月23日 発売

購入する

はやみずけんろう/1973年生まれ。ライター。TOKYO FM『速水健朗のクロノス・フライデー』(毎週金曜日朝6:00~9:00)、同局『TIME LINE』(第1・3・5火曜日19:00~19:54)、フジテレビ・ホウドウキョク『あしたのコンパス』、日本テレビ『シューイチ』などに出演中。近著に『東京β』(筑摩書房)、『東京どこに住む? 住所格差と人生格差』(朝日新書)、おぐら氏との共著『新・ニッポン分断時代』(本の雑誌社)などがある。

おぐらりゅうじ/1980年生まれ。埼玉県出身。フリーの編集者として雑誌『テレビブロス』ほか、書籍や演劇・映画のパンフレット等を手がけている。企画監修を務めた、テレビ東京の番組『ゴッドタン』の放送10周年記念本『「ゴッドタン」完全読本』、速水氏との共著『新・ニッポン分断時代』(本の雑誌社)が発売中。

松居一代を支える「不倫許すまじ」な女性たちと、スピリチュアリズムの関係

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー