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ついに代表辞任! 蓮舫が絶対に「中国のスパイ」になれない3つの理由

著書のトンデモ中国記述を追いかける

2017/07/27
note

<3.中華料理の名前を間違える>

 中国に留学中の蓮舫はよく、北京大学の近所の食堂を訪れていたという。彼女がしばしば食べていたのは、ジャガイモの細切り炒めと豚肉の唐辛子煮込み、卵チャーハンだったそうだが……。

確かに北京の下町のごはんはおいしい。この一点は蓮舫を支持したい。

 ジャガイモの細切り炒めは「土豆糸」ではなく「土豆絲(炒土豆絲)」である。「糸」と「絲」は漢字の見た目は似ているが別の字だ。また、豚肉の唐辛子煮込みも「水緒肉」ではなく「水煮肉(水煮肉片)」が正解である。

 食堂で毎日のように食べていた中華料理の正確な名前すらもろくに漢字で書けないとは、蓮舫は悠久の歴史を持つ中華民族の文明をなんと心得ているのか。このように自民族の食文化に対するリスペクトに欠けた人物に、中国のスパイは決して務められない。

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 ……とまあ、蓮舫の著書は中国についての記述が驚くほど「雑」である。想像するに、おそらく書籍をまとめたライターが中国に全然詳しくなかったことも原因なのだろう(話の中身がポンポン飛んだり、口語的すぎる表現が中途半端に混じっている文体からして、本書は口述筆記で書かれた可能性が高い)。一般の日本人ライターが中国のことを知らないのは当たり前なので、これ自体はまあ仕方ない。

“初の女性総理を目指す政治家・蓮舫”が露呈したツメの甘さ

 むしろ問題視するべきは、蓮舫のツメの甘さだろう。著名人の著書は名刺代わりだ。いわんや『一番じゃなきゃダメですか?』は、将来は初の女性総理を目指すという政治家・蓮舫がその政策姿勢やプロフィールを詳細に記したほぼ唯一の書籍で、支持者はもちろん一般の国民の目にも触れることを目的とした書物である。

 自分の政治家生命が懸かった書籍の刊行に際してすら、(おそらく)ライターに丸投げして自分でゲラの確認すらサボったとおぼしき「雑」な政治家・蓮舫。彼女がかつて仕分けた国家事業や、批判してきた政策というのは、果たして本当に仕分けや批判に値するものだったのか? 

 最近は支持率が急落したものの、自民党一強の現在の日本の政局のなかで、与党の正しき抑え役が期待される野党第一党の党首がこんなに適当で大丈夫なのか――? 蓮舫の著書を一読したとき、私は正直言ってかなり不安な気持ちになってしまったのだった。

「二重国籍」問題の記者会見で記者に配布された資料 ©時事通信社

蓮舫は100パーセント潔白である

 蓮舫は一部の保守派の人々が主張するような「中国のスパイ」では決してない。なぜなら、彼女は中国政府に協力して日本の政治を撹乱できるような知識も語学力も注意深さもまったく持っていない人物だからだ。私は中国分野を専門とするライターとして、蓮舫の「中国のスパイ」デマについては彼女の身が100パーセント潔白であることを声を大にして申し上げたい。

 ……ただし、野党第一党の党首たる資質も政権担当能力も、やっぱりなかったみたいなのだが。

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