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辞任と不倫で揺れた永田町 今週の珍言・妄言を振り返る

「一線は越えてない」の一線て何だ?

2017/07/29
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今井絵理子 自民党・参院議員
「『略奪不倫』ではありません。断じてないということを言わせていただきます」

スポニチアネックス 7月27日

 元SPEEDで自民党の今井絵理子議員が、自民党・神戸市議会議員の橋本健氏と不倫関係にあると報じられた。橋本氏は既婚者で2児の父であり、妻とは別居状態だが離婚は成立していない。『週刊新潮』8月3日号のスクープの見出しは「元SPEED 今井絵理子参議院議員の略奪不倫」だった。

 同誌は、政務活動のための移動中、新幹線で眠ったまま手を握りあう2人の姿を大々的に掲載。記事では「SPEEDのNo.1ヒット曲『WHITE LOVE』で熱唱した『その手を離さないでね』の歌詞の一節さながら」と皮肉った。今井氏は『週刊新潮』の取材に対して、橋本氏に好意を持っていること、ホテルやマンションで一緒に宿泊したことは認めたが「一線は越えていない」と弁明した。今井氏の回答にネットでは「一線って何のことだ」と多くのツッコミが入った。

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記者団に謝罪する今井絵理子参院議員 ©時事通信社

 冒頭の言葉は、記事を受けて今井氏が報道関係者に向けて送付したファックスの一文。ファックスの中では、橋本氏から最近交際を申し込まれたことが明かされているが、あくまでも一線は越えておらず、「略奪不倫」ではないことが強調されている。なお、橋本氏の妻は『週刊新潮』の取材に「これは決定的」「私は今井さんのお子さんも心配。お母さんは家にいなくて、不倫をしていると知ったら」と辛辣なコメントを寄せている。

「俺は今井絵理子のマネージャーやねん」

 橋本氏をめぐっては、政務活動費の支出に関する問題も浮上している。2016年6月、今井氏との対談を掲載した自民党神戸市議団の「市政報告」を政務活動費で制作し、今井氏が出馬した参院選の公示前日に配布していたという(神戸新聞 7月26日)。政務活動費を用いた市政報告は「市政にかかわる会派活動」が対象とされ、「議員の個人的活動や選挙活動などには支出できない」と定められている。なお、参院選で橋本氏は今井氏の応援活動を精力的に行っており、周囲には「俺は今井絵理子のマネージャーやねん」と語っていたという(『週刊新潮』8月3日号)。

 “魔の2回生”の一人、自民党の宮崎謙介衆院議員(当時)は2016年2月に不倫騒動の責任を負う形で議員辞職した。このとき、宮崎氏が不倫相手の女性タレントを口説くときに使ったメッセージ「私のど真ん中は“ソナタ”」が話題になった(スポニチアネックス 2016年2月15日)。今井氏と橋本氏にはどのような結末が待ち受けているのだろうか。かつて「憲法や経済の話は?」と問われて「今は選挙中なのでごめんなさい」と返答を避けた今井氏だが、国会議員としての正念場がいきなりやってきた。

森 喜朗 2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会会長
「ドラえもんやキティちゃん、鉄腕アトムもある。漫画大行進だ。そういうのがあってもいい」

時事ドットコムニュース 7月22日

 2020年7月24日に開幕する東京五輪まであと3年を切った。こんなに暑い時期にオリンピックなんて開いて本当に大丈夫なのか? という懸念が広がる中、いよいよ元気になっているのが森喜朗・東京五輪組織委員会会長だ。

ドラえもんやキティちゃんに期待をかける森喜朗氏 ©文藝春秋

 冒頭の言葉は、時事ドットコムニュースの取材に応えたもの。「仮に歌舞伎、相撲でやっても世界の人は分からない。一番分かってくれるのは日本のアニメや漫画」と話しているが、これは力士が大挙して登場し、土俵入りを披露した長野五輪開会式の反省だろうか。

先月の自分の発言ももう忘れてしまったのかもしれない

 また、若者を意識した新種目の採用を「革命的なこと」と歓迎したが、先月、「なぜ突然(16年リオデジャネイロ五輪の)306種目から15種目も増えたのかについては、いささか疑問に思っている」と発言したことはもう忘れてしまったのかもしれない(産経ニュース 6月12日)。

 森会長は24日に行われた組織委員会の理事会の冒頭で「関係者が一致して大会準備を進めることが重要。これからが一番の正念場だ」とあいさつした(サンケイスポーツ 7月24日)。20日には東京五輪の主会場となる新国立競技場の建設をめぐり、下請け業者で現場監督を務めていた23歳の男性が、月200時間近い残業を強いられて自殺していたことが明らかになっている(NHK NEWS WEB 7月20日)。しかし、現時点で森会長からのコメントはない。

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