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連載文春図書館 今週の必読

R‐40本屋さん大賞〈児童書〉――ベテラン書店員さんたちのイチ押し本! 

文春図書館特別企画 

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「面白い本」を見つけ、日々全国各地の読者に届けている熟練目利き書店員の皆さん。彼らがお薦めする今年の1冊(2016年6月~2017年5月)はこれだ! 話題作や掘り出し本が続々登場。夏休みのお供を選ぶ最高のガイド、〈小説〉〈ノンフィクション〉につづく第3弾〈児童書〉!

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〈児童書〉

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1.『つまんない つまんない』(ヨシタケ シンスケ 著)白泉社

2.『いっさいはん』(minchi 著 イラスト)岩崎書店

3.『なつみはなんにでもなれる』(ヨシタケ シンスケ 著)PHP研究所

4.『アームストロング 宙飛ぶネズミの大冒険』(トーベン・クールマン 著)ブロンズ新社

5.『ハリー・ポッターと呪いの子』(J.K.ローリングほか 著)静山社

1.つまんない つまんない 

『つまんない つまんない』(ヨシタケ シンスケ 著)

 テレビも玩具も飽きた。何故つまんないのかな。つまんないって何。世界で一番つまんない遊園地について考えてみる。お化け屋敷でお化けがニコニコ、ジェットコースターがゆっくり。あ、これ考えるの面白い。

○R-40ここがおすすめ!

「もう、カバーでノックアウト」(紀伊國屋書店広島店・藤井美樹)

「いくつもの『つまんない』に関する考察」(田村書店猪名川店店長・西村宗典)

「どうしたらつまんなくないか? と考えていくと少しおもしろくなる。おじいさんが昔のつまんないことを話す時楽しそう」(清明堂書店アピタ店・桑原真喜子)

2.いっさいはん

『いっさいはん』(minchi 著 イラスト)
 

 玩具より入っていた箱が好き。静かな時は散らかしている。お尻を使い階段をすばやく降りる。玩具箱から腐ったみかんが出てくる。かつて子供だった人、今、子供を育てている人すべてが納得、「1歳半」の生態図鑑。

○R-40ここがおすすめ!

「なつかしくて、あたたかい」(勝木書店本店・樋口麻衣)

「世の中のすべての人たちに、こんなにもかわいい時期があったのだと想像してみると、とっても優しい気持ちになれます」(紀伊國屋書店加古川店店長・樋口正明)

「かつて子育てを経験した読者、お孫さんを持つ読者には共感を得られるのではないでしょうか」(清明堂マリエ店店長・松井重樹)

3.なつみはなんにでもなれる

『なつみはなんにでもなれる』(ヨシタケ シンスケ 著)

 なつみは洗濯ものを畳んでいるお母さんに「コレ、なーんだ」と全身で形態模写。「おひなさま?」「ちがうよ! おにぎりだよ!」。「いもむし?」「オムライスだよ!」なぜわかんないの?  伝わらなさ、に共感。

○R-40ここがおすすめ!

「子供の想像力の豊かさ、たくましさ。大人だからこそ気付く大切なものをヨシタケ先生はいつも教えてくれます」(鹿島ブックセンター・八巻明日香)

「なつみがお母さん相手にものまねごっこ。ゆですぎたブロッコリーが出てきたときは思わず笑ってしまいました。子供の視点は摩訶不思議です」(清明堂書店アピタ店・青木祐美子)