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湘南新宿ラインで大冒険 灼熱の籠原駅には何がある?

通勤電車乗り過ごしの旅・第2弾

2017/08/21
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 新宿で、そして東京で。上野東京ラインや湘南新宿ラインに乗るときによく見る行き先はいくつかある。南行きなら「小田原」、北行きなら「高崎」「宇都宮」。まあこの辺だったらよく知っている。小田原は小田原城が有名だし、宇都宮は餃子で高崎はダルマだ。行ったことがなくとも、それなりに大きな駅なんだろうと想像できる。

破天荒ぶっている人が口にする駅

 だが、そんな中で気になる行き先があるはずだ。そう、籠原。地元の人でもない限り、籠原駅に行く機会なんてなかなかない。名前を目にするのは電車の行き先、時々同僚が「昨日電車で寝ちゃって籠原まで行っちゃったよ~」などと破天荒ぶっているのを耳にするくらいなものだろう。でも、そんな籠原行きの電車、結構多いのである。果たして一体何があるのか。というわけで、休みだからできる大人の冒険、今年の夏は、行くぜ! 籠原――。

 

 早速新宿駅から湘南新宿ライン籠原行きに乗り込んだ。15両編成、グリーン車もちゃんとついている。時刻表を見ると、籠原駅までは快速で1時間15分くらい。ならばゆったりと過ごしたいということで、グリーン車に乗ることにした。昼下がり、ガラガラのグリーン車。どこに座ろうと自由なので、適当に座ってリクライニングを存分に倒す。なんだかとても贅沢な気分だ。そして移ろう景色をぼんやり見ていたら、気がつけば眠りに落ちて、あっという間に籠原駅である。さすがグリーン車。

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 かくして降り立った籠原駅。その最初の印象は……とにかく暑い。快適(どころか実はちょっと寒い)グリーン車から一気に35度くらいの籠原の駅前。そのあまりの環境の差に、めまいがするくらいだ。電車から降りて5分と経たないうちに、汗が吹き出してくる。いくらなんでも東京のど真ん中だってこんなに暑くないぞ……。

 と思って調べてみると、籠原駅は埼玉県熊谷市。熊谷市と言えば、日本で一番気温が高い町として有名だ。2007年8月16日には当時最高気温の40.9℃を記録している。そんなクソ暑い町にあるのが籠原駅なのだ。