文春オンライン

すでに壊滅的な状況に……既存マスコミが新型コロナウイルスで死ぬ日

2020/05/01

 皆さん、お家にいますか?

 私もなるだけ自宅にいようと思っているのですが、最近はやれ「町内会で独居老人の方がコロナ感染の疑いで困ってる」だ、近所でコロナ陽性判定が出たけど受け入れ先がないので自宅で静養中にアホがクレームを付けに行って騒いでいるだ、さまざまなことが起きては呼び出されます。

 幸い、確定したコロナ感染者数は減ってきているようですが、緊急事態宣言は5月末まで延期になりそうな雰囲気で、結果として家にいる時間が増えた分、パソコンやテレビの前に座っている時間は増えました。

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「現場に出ていない自称専門家」である可能性も

 で、テレビ観てるとワイドショーその他、コロナウイルス一色なんですけどトンデモな論調も多数出てきているんですよね。週刊文春(3月26日号、4月2日号)でも丁寧に批判された岡田晴恵さんがまだテレビに出てるんですよ。いや、この人は医師でもないし公衆衛生の専門家としても疑問視されていて、一番テレビに出したらアカン人の一人じゃないですか。

岡田晴恵教授「不正実験データ」で感染研所長が論文取り下げを要求
https://bunshun.jp/articles/-/36831

 そうかと思えば、モーニングショーに登場していた玉川徹さんが「減少した感染者はすべて民間検査のみの数字」と誤報を流し、さらにヤフーニュースで水島宏明さんが「スクープ?」と垂れ流したため、意図せずフェイクニュースが大量に拡散されてしまいました。その後、東京都からの抗議が番組側にあってテレビ局が謝罪、持ち上げた水島さんも訂正記事を書いておりましたが、こんなの電話一本入れれば分かる話なのに、コタツで済ませる衝撃的な記事を仕上げようとするから騒動になるのではないでしょうか。

 よく考えたら、いま医療現場や感染症対策の前線に従事されている人は、医師から看護師ら医療関係者総出でてんてこ舞いで大変な状態になっているんですよ。こんなときに、のんびりテレビに出て状況解説をしている人は「現場に出ていない自称専門家」である可能性もまたあるわけで、テレビ局も視聴者のニーズに合わせて番組内容にそった喋れる人を出演させなければならないわけですから大変なんだろうなと。

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 思い返せば、東京都知事・小池百合子さんが豊洲市場移転問題で騒いだり、五輪メインスタジアムが問題になったとき、建築エコノミストを自称する森山高至さんがテレビや雑誌に出てきて無責任な言説を垂れ流し、小池百合子さん以下各関係者が大混乱に陥って数千億円の血税や都税が無駄になったことが鮮明に思い出されます。みんな忙しくて大変な時期に過激なことを言う自称専門家は、忙しくもなく大変でないから長時間拘束されるテレビに出ていられるのですよ。