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特集
どうする保育園。どうなる待機児童。 国会議員、地方自治体トップ、当事者に連続インタビュー

渋井 哲也
2017/08/18

松戸市独自の「保育送迎ステーション」

――松戸市では具体的に何をしていますか?

本郷谷 賃金の加算をしています。勤続年数に応じて月額6500円〜7万3000円を補助しています。平均すると一人2万円くらいです。東京都はこれまで2万3000円だったものを4万4000円にしました。我々も2万円アップします。県が補正予算で1万円、市としても1万円加算しますので、平均4万円となります。

 また、新卒から5年間、家賃補助をします。法人が借り上げる宿舎の場合は、1部屋あたり月額8万2000円を上限に、市は4分の3を負担します。保育士個人がアパート等を借りる場合は、新卒で月額3万円を上限に補助します。

 保育士の負担軽減のためにできることもあります。給食の配膳などの現場の仕事は無資格者でもできます。そうした保育補助職員を採用する場合には、市では補助金を出します。今年から、保育補助職員に対して保育士資格試験講座の費用も貸付しています。合格するなど条件を満たせば返済をする必要がありません。子どもたちへの投資は最優先です。国がやらないから、市もやらないというのでは困ります。負担は覚悟しています。

――独自の政策として駅前の送迎保育ステーションを作っていますね。

本郷谷 2015年10月から、松戸駅前に作っています。1歳から就学前の子どもを一時的に預けることができます。また、地域の保育所に預けられない3歳児から就学前の子どもをステーションに預けることで、指定の保育所までバスで送迎します。

 保育所は市内に偏在しています。地域間のアンバランスが生じたり、幼稚園でも延長保育ができないと、保育需要とのギャップが出てきます。それを解消するためのステーションです。現在は保育送迎ステーションは1ヶ所ですが、補正予算で2ヶ所目を用意しています。全国でもあまり聞いたことがないサービスです。

保育園は教育の場でもある ©iStock.com

――質的な担保はどうするのでしょうか?

本郷谷 従来は「保育は家庭、教育は幼稚園」でしたが、今の保育園や幼稚園では両方が必要です。教育機関である幼稚園でも保育が、福祉施設である保育園でも教育が望まれています。また、一口に保育の質といっても様々な面があります。保育園の年長組では「楽しい英語あそび」をしています。保育園でも教育機関の位置付けを強化します。市では「幼児教育担当室」を作って、就学前の教育にどう取り組むかを考えています。

 保護者への支援も大切です。昔なら祖父母や地域の人が相談に乗ってくれましたが、いまはいなくなりました。3歳までの乳幼児の保護者が集える「おやこDE広場」は23ヶ所あります。ワンストップで相談に乗っています。

――負担は市民も受け入れているのでしょうか?

本郷谷 基本的にはとやかく言う人はいません。しかし経済的に苦しい高齢者も増えています。そのため、「子どもばかりでなく、高齢者にもお金を使ってほしい」という声はあります。いずれにせよ、子どもと高齢者への支援は必要です。松戸市では70歳以上の人口は約9万人います。また、高齢者の独り住まいが増えています。病気の時は不安ですし、ほとんどは年金生活者です。本来であれば、子育てや高齢者施策は国がすべきです。今のままでは破綻してしまいます。

――国や県に対して望むことはなんでしょうか?

本郷谷 千葉県は東京都に近い場所と、房総南部とではニーズが違います。県としては、一律でやらないといけないわけですが、なかなか難しいのが現状です。今のところ、国の方針がはっきりしませんが、世の中、待ったなしです。女性活躍社会というのなら、実効性のあるようにしてほしいです。個々の政策がつながっているのかが見えにくいのです。更に言えば、子どもを産めるような政策を打ってほしいですね。我々が先取りでやっていることに、国が後からついてくると思っています。先行する意味はあると思います。

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