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【阪神】メッセンジャーのいない夏をどう戦うかという大問題

文春野球コラム ペナントレース2017

2017/08/18
note

能見と岩田はメッセ不在になにを思う

 かくして、私はメッセンジャーのいない阪神になんとも言えない違和感と寂しさを覚えてしまう。今まで当たり前のように週に一度は先発を担ってきた巨漢投手が、急にいなくなってしまった。月並みすぎて書くのも憚られる表現だが、失って初めて気づく存在の大きさ。それを痛感した2017年の夏である。

 今シーズンの残り試合、阪神投手陣はどうなってしまうのだろう。2011年以降、メッセンジャーの長期不在期間が一度もなかったからこそ、なんとなく未知の不安を感じてしまう。実際、彼が離脱して以降、新たに先発を担うことになった松田遼馬が打たれた。ルーキーの小野泰己もなかなか勝てない。先日、復帰登板を果たした藤浪は……もう、なんというか、どう評していいのかわからない。いろいろな意味で悲しいことだと思う。

 だけど、そんな中で少し温かい気持ちになったのは、このところ不振に陥っていたベテラン・能見が久しぶりに好投し、開幕から二軍暮らしが続いていた岩田がようやく復帰すると、二勝を飾ったことだ。能見と岩田の二人は、現在の阪神投手陣の中ではもっとも長く、メッセンジャーとともにローテーションを守ってきた仲間だ。そんな古い仲間である二人が、同じく古い仲間であるメッセンジャー離脱のタイミングで奮闘している。もちろん、これはただの偶然かもしれず、だから私が勝手に作り出したドラマにすぎないわけだが、それでも少し頬がゆるんでしまった。今、能見と岩田はなにを思うのだろう。

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