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阪神・藤浪にイップスの疑い 克服できるのか

4回には菊池にも死球…… ©共同通信社

「いつもの彼は、たとえ負けても報道陣にちゃんと話すのですが、あの日は、広報を介して短いコメントを出しただけ。帰り際に『すいません』と言い残し、車に乗り込みました」(阪神担当記者)

 阪神の藤浪晋太郎投手(23)が選手生命の危機に直面している。

 制球難で2軍調整を命じられていた藤浪は16日の広島戦で、82日ぶりの1軍登板を果たしたが、4回3分の2を投げて7安打3失点、四死球7という結果に終わった。二死球のうち、ひとつは相手先発投手の大瀬良大地に当てたものだった。

「最初から恐る恐る投げていた。香田勲男投手コーチは『メカニズムは大分良くなってんだよな』と言いつつ、頭を抱えている。問題はメンタル面ということです」(同前)

 ベテラン記者はこう語る。

「記事にこそ書きませんが、報道陣の間では『イップスだな』というのが共通認識です」

 イップスとは、精神的な原因から動作に支障をきたし、思い通りのプレーができなくなる運動障害だ。

「一説によるとプロ野球を辞めていく選手の8割はイップスを抱えているとか。でも現役中は自分がイップスだとは認めないですし、我々としても気を遣いますよね」(同前)

 藤浪の場合、今年4月のヤクルト戦で畠山和洋の頭付近に当てて乱闘になった場面が、引き金では、と言われているという。その後、2軍行きとなり、ようやく復帰したのが広島戦だったわけだが、前出の担当記者は語る。

「ぶつけられた大瀬良が、“大丈夫だから”という風に藤浪に笑いかけましたが、同じ投手として同情しているようにも見えました。藤浪の症状が相手チームにも伝わっているのでしょう」

 果たして藤浪はイップスを克服できるのだろうか。

「投手でイップスが疑われるケースは、1塁送球の場面などで緩い球が放れない、という話が多く、藤浪のようにピッチング自体でイップスという例はあまり聞かない。広島戦での二死球も、捕手が外角に構えていたのが気になります。内角に投げるのが怖いのとは別に、外角を狙ったつもりが死球になってしまうのだとしたら、克服は容易ではない」(スポーツ紙デスク)

 虎の若きエースの復活を期待したい。