脅威論に対置した毎日新聞の記事
次々に日本各地でヒアリが見つかった。こんな商品も売れ始める。
「殺虫剤、商機アリ 増産・売り場特設 でも乱用は逆効果」(毎日新聞大阪 2017年8月16日)
こんなときも「殺虫剤、商機アリ 」とダジャレで見出しをつけてしまうオヤジジャーナルの宿命も確認できる。
ヒアリの脅威が報道されているなか「?」という記事が出た。
「ヒアリ『米100人死亡』否定 環境相、根拠確認できず」(毎日新聞 7月18日)
先ほど紹介した環境省の「米国では年間に100名以上もの死者が出ています。」とのパンフの記述について「多すぎるのでは」との指摘が寄せられたので、調査したら根拠となるデータを確認できなかったという。
《そのため、パンフレットの使用をやめ、サイトからも関連部分の削除を進めた。》
《山本環境相は、04年以降にヒアリが定着した台湾で、死亡例が確認されていないことも説明した。》
記事の最後は、
《琉球大の辻和希教授(昆虫生態学)は「都市化が進んだ地域では刺されてもすぐ病院に駆け込める。正しい知識と医療体制があれば救命できる可能性が高く、過剰に怖がる必要はない」と指摘する。》
あれ……ヒアリ、聞いてたのと違う……。ちょっと拍子抜け。
《ヒアリの確認例は24日現在、兵庫、東京、大阪など9都府県で計2000匹以上に上っている》(読売新聞 8月25日)。
「怖い」から「いかにして対処するか」にムードが変化
「ヒアリ 世界ピリピリ 日本でも次々発見」(朝日新聞 8月23日)では「まずは港湾での徹底した水際対策に尽きる」「ヒアリの供給元となっている中国などの国々と、国境を越えて駆除の技術協力などを進める必要もある」と記事は締められていた。
最初の報道から2カ月。「ヒアリ怖い」の大騒ぎから、いかにして対処するかという冷静モードになってきた。
そう言えば95年には毒グモの「セアカゴケグモ」騒動があったけど、あれから今でも地味に確認されている。
もしかしてヒアリもそのオチ?