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前原新代表を待ち受ける民進党“魔の幹事長”人事

2006年、偽メール事件で代表を辞任 ©共同通信社

 9月1日に決まる民進党の新代表。前原誠司元外相(55)が一騎打ちを制する見通しだが、最初にして最大の仕事が幹事長人事だ。

 民進党は、前身の民主党時代から、幹事長人事の失敗で代表が求心力を失ってきた。

 昨年9月、圧倒的な支持を受けて初当選した蓮舫氏は自身に近い野田佳彦前首相を幹事長に起用。党内から猛反発を受け、1年足らずで辞任に追い込まれた。

 遡れば、2002年の代表選では鳩山由紀夫氏が3選を果たしたが、中野寛成氏を幹事長に起用したことで、党内が混乱し、3カ月後には補欠選挙の敗北の責任をとる形で代表を辞任した。

 前原体制が党内融和を目指すなら、幹事長の最右翼となるのが、代表選を戦った枝野幸男元官房長官(53)だ。

「幹事長経験もあり、細かい実務能力は折り紙つき。党内融和も図れます。ただ、共産との共闘に前向きな枝野氏を起用すれば、保守系が離党に踏み切る可能性が高い。枝野氏支持グループの反発を買ったところで、彼らは離党できないのだから、保守系から出すべきです」(民進党議員)

 前原支持グループからは、意外な人物の名前が上がる。前原氏の推薦人に名を連ねた中間派グループの「素交会」会長・大島敦氏だ。

 素交会は大畠章宏元国交相の影響力が強く、政局の節目で存在感を発揮する。今回の代表選でも、大島氏が素交会を早々に前原氏支持でまとめ上げ、「大きな流れをつくった」(党関係者)といわれている。

 大島氏は当選6回、知名度は低く、政調会長、選対委員長などの要職も未経験。

「10月に衆院補選を控えており、中野幹事長の二の舞になる」(同前)

 収まりの良さなら当選8回、要職経験も豊富で、前原氏と同じ松下政経塾出身の玄葉光一郎元外相が浮上する。

「本人もその気です。ただ、党をまとめる力はない」(同前)

 代表代行を務める安住淳氏、江田憲司氏も候補だ。

「安住氏は民進党には珍しく裏方に徹することができる。ただ、豪腕ゆえ敵も多く、共産党との連携積極派とあって党が割れかねない。江田氏は、逆に『自分が、自分が』というタイプで幹事長に向かない。民進党は代表になりたい人間はたくさんいるが、幹事長向きの人間がいないのです」(民進党ベテラン議員)

 新代表の命運は、“魔の幹事長”人事にかかっている。