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日本人の「競争嫌い」を逆手にとった「ZOZOTOWN」の異色さ

外資系を知り尽くした“5000億ファンドマネージャー”が考える「競争力」#2

2017/09/09

社長自身も「競争嫌い」?

 現在41歳の前澤氏は地元千葉への思い入れが強いことでも知られ、「東京は競争心が強い人が多くて嫌い」と、会社も自宅も、現在建設中の「100億円豪邸」といわれる新居も、千葉市内にあるという徹底ぶりである。

 ここではスタートトゥデイの企業分析には立ち入らない。しかし、自社の競争力を高めようとするときに、日本人の特質に雇用のあり方をぴったり合わせて成果を出していることに私は強く惹かれるのだ。

 ヒトは何によって働くのか?

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 良き企業風土というものは様々な個別条件で自然に出来上がるものだと考えられてきていた。しかし、その本質は雇用にあると見抜き、「競争嫌い」という日本人の特性を逆手にとって新しい競争の形を実践する企業が出てきた。日本の競争力を「ヒトと企業」という側面から見た時、ここに一つの解を見る気がする。

 これからこのような企業がさらに出て来るかどうかは、スタートトゥデイの今後にかかっているが、こうした普遍性を持っている限り「強い!」と私は考えるのだ。

日本企業の新しい形となるか? ©iStock.com
日本人の「競争嫌い」を逆手にとった「ZOZOTOWN」の異色さ

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