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「20~30万円をお財布に入れて、歌舞伎町へ」

かん:現金で払うんですか?

ネザーランドドワーフ:はい、私は“現入主義”なんです。

かん:現入とは?

ネザーランドドワーフ:現金で全額払う人のことです。カードを使うと手数料かかっちゃうんです。あと“掛け”……ツケ払いもあります。月初めに200万ぐらい“掛け”して、入金日までに払うという人もいるんですけど、私は基本“掛け”をしたくなくて、20〜30万円をお財布に入れて、歌舞伎町へ遊びに行きます。

もぐもぐ:ひぇー。

 

ネザーランドドワーフ:お店に着くまで、ひったくりに遭わないか不安で不安で。本当に怖いんですよ!

ひらりさ:それをお店で全額使っちゃうのも同じくらい怖いよ! 

ネザーランドドワーフ:とはいえ掛けちゃうこともあります。ごく最近の話なんですけど、誰かのバースデーでもない何の変哲もない日に高いシャンパンを入れてしまって、その掛けが21万円残っています。負債を抱えている身です。

もぐもぐ:それは現入できなかったんですね。

ネザーランドドワーフ:手持ちが全然なかったんですよね。お金を使うつもりのない日で。でも、担当ホストの後輩にすごくあおられたんです。「あれ、今日シャンパンおろさないんですね? 僕は何本もいっちゃいますね」みたいな。ラストオーダー直前に「今日はどうしてもお願いだから」って担当に言われて。

ユッケ:すごい世界だなあ。

もぐもぐ:“担当”というのは、アイドルでも使う言葉ですけれど、ホストの場合はもっと密接なコミュニケーションが取れるわけですよね。その一方で、そのホストを担当にしている、他のお客様もいる?

ネザーランドドワーフ:そうですね。ジャニーズ界隈だと同じタレントのファンを “同担”と言いますけど、ホスト界隈では“カブリ”って言います。

ひらりさ:“同担“よりもネガティブな感じがする。

ネザーランドドワーフ:例えば目の前のテーブルにカブリが来てると、「えっ、なんか私の担当、カブリにすごいイチャイチャしてるんだけど」という感じで、女の子の心の中はギスギスしますね。

 

ひらりさ:ネザーランドドワーフさんは、カブリに嫉妬されたりすることありますか?

ネザーランドドワーフ:ありますね〜。さっきから言ってるように、私はそこまでお金を使う客じゃないんですけど、担当が結構大事にしてくれているように見えるらしくて。「あいつ大した金使ってないのに」みたいなことを言われたりします。

かん:あ、今日は店内の写真とかも持ってきてくださったんですね。

(スクリーンに、ネザーランドドワーフさん提供・ホストクラブのさまざまな写真が映される)

もぐもぐ:ホストって、スーツ着てカチッとしてるイメージだったんですけど、こんなにラフなファッションの人もいるんだ!

ネザーランドドワーフ:今は“ネオホス”っていうのが流行ってるんですよ。

ユッケ:ネオホス!?

ネザーランドドワーフ:H&Mとかで揃えた、上下1万円以内くらいのファストファッションを身に着けてるホスト。以前は、黒スーツや黒シャツにギラギラした小物をつけていたんでしょうけど、今はクラッシュデニムにパーカーって感じの人が多いですね。

もぐもぐ:へえ〜。

「ラスソンは3ケタからだと思ってるんで」

もぐもぐ:そういえば、シャンパンコールって、どんな感じなんですか? イメージだけはあるけど想像できない!

ネザーランドドワーフ:シャンコですね。周りに、その時いる店のホストが全員来ます。すごい暑いです。シャンパン自体は、安いものなら2万円ぐらいからおろせるんですけど、オールコール(全員でのコール)には、10万円以上のシャンパンをおろす必要がありますね。有名店になると、50万円以上じゃないとやってもらえないところもあるみたい。

ユッケ:ホストたちに盛り上げてもらうというのはわかるんですけど、シャンパンをおろしたお客さん本人も、なんかやるんですか?

ネザーランドドワーフ:カブリの姫を煽りたかったら、マイクをもらって挑発的な発言したりできますよ。

ひらりさ:フリースタイルダンジョンじゃん!! ネザーランドドワーフさんは、煽ったこと、ありますか?

ネザーランドドワーフ:煽られたエピソードならあります。私の行っているホストクラブには、ラストオーダー終了後に「ラストソング」というのがあって、その日一番売上げたホストがカラオケで1曲歌を歌えるんですね。ある日、私の担当が「ラスソン」を狙っていたので、私は、まあまあな値段……数十万円のシャンパンをおろしたんですけど、その後に後輩ホストのお姫様が130万円ぐらいのシャンパンを入れたの。

一同:えーっ!!

ネザーランドドワーフ:最後にどかっと来ちゃって。そのうえ、「いや、ラスソンは3ケタからだと思ってるんで」と言われました(笑)。「2ケタごときで歌は歌わせないんで」ということですね。

ユッケ:鬼気迫ってますね……。盛り上がってまいりましたけれども、そろそろお時間となりました。最後にゲストお二人から、自分の沼の「いろいろあるけど、こういうところが最高だよ」というプレゼンを一言ずつお願いします! まずはジャッカロープさん。

左からゲストのジャッカロープさん、ネザーランドトワーフさん

ジャッカロープ:私は推しと対面したいとは思わないと言いましたが、コンサート、遠征、サイン会といったかたちで、「会いに行く」喜びというのは本当に強いです。しかもK-POPは、そんなに簡単に会えない。ハードルがあるので、やっぱり燃えますね。普段の仕事がどれだけつまんなくても、「来週韓国行ける」「来週ソウルでカイくんに会える」、そう考えていると、本当に毎日楽しくなります。

ひらりさ:そんなに普段つまんないの!?

ジャッカロープ:デスクワークばっかりしてますから(笑)。「来週、カイくんのダンス見れるし、別に他のことどうでもいいや」ってなります。毎日がつまらないなと思ってる人、すごくおすすめです。

ユッケ:ネザーランドドワーフさんは、いかがですか?

ネザーランドドワーフ:なんだろう……正直、そんなに生ぬるい世界じゃないんですよね。

一同:(笑)

ネザーランドドワーフ:お金に直結する世界なので。ここで言ったより怖いこともいっぱいあるかな。でも私は自分が払ったお金で、私のために使ってもらう時間とか、デートとか、幸せを買ってる。ホストクラブで過ごす時間がすごく楽しいんです。顔のいい男とお酒が飲める。女子会の帰りとかに、ちょっと顔のいい男を見に行ってほしい。そうすると、楽しい面をたくさん味わってもらえるんじゃないかなと思います。

ひらりさ:怖いけど、最高ではあるんですね。

ユッケ:隣のみんなの怖い話と、いい話がたくさん聞けました。お二人とも、本当にありがとうございました!

写真=釜谷洋史/文藝春秋