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urbansea
2017/09/09

「エリート不倫」は、なぜ新幹線で油断するのか?

「週刊文春」9月14日号最新レビュー

新幹線の中では、聡明で気高そうな山尾までもが

 なかでも新幹線車内の二人の姿は、否応なしに今井絵理子の手つなぎ不倫を彷彿とさせ、記事でも「グリーン車では手こそ繋ぐことはなかったが、並びの席に座り、アイスコーヒーを片手に見つめ合いながら談笑」とわざわざ述べられている。

山尾までもが陥った、新幹線の心地よさ

 そんな風に新幹線内でいちゃつくも、「二人の雰囲気は品川駅到着後に一変」する。記事には山尾は港南口に、男性は高輪口に向かい、別々に行動して同じホテルで落ち合い、ベッドが一つしかない部屋に宿泊したとある。

 降車してからひと目を気にしたようだが、裏をかえせば、新幹線内では気にしなかったということだ。

 今井絵理子といい、山尾志桜里といい、新幹線の中では、警戒心がすっかり解けて、二人だけの世界にいるような気になってしまったのか。松本人志は新幹線での今井の寝姿を「ヤンキーカップルでもあんな寝方しない」と評したが、聡明で気高そうな山尾までもが……。

2009年の今井絵理子 ©杉山拓也/文藝春秋

VIPが素の表情を見せるとき

 フォーカスやエンマなどの写真週刊誌で活躍した、井上和博というカメラマンがいる。中川一郎の立ち小便写真が有名だ。井上は、政治家にお願いしては、風呂に入っているところを撮影していった。どんなVIPであっても、風呂や奥さんと一緒の時、小便をする時には、リラックスして、素の表情を見せるからだという。 (注)

 新幹線は、エリートであれ、元アイドルであれ、衆人環視にあることを忘れさせ、うっかり男女の関係性をあらわにしてしまう。日本が世界に誇る新幹線が、いかにリラックスできる空間であるかの証左とも言える。新幹線設計者にとっては、これもひとつの栄誉かもしれない。

(注) 井上和博『時代を喰った顔』中央公論新社・2002年

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