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小松政夫の芸能生活
50周年に伝説の“しらけ鳥”が復活!

source : 週刊文春 2016年6月16日号

genre : エンタメ, 芸能

ネタの切れ味は健在

 昭和にお茶の間の話題を独占したネタが復活した。5月末、都内で行われたジャズライブに登場したのはコメディアンの小松政夫(74)だった。

「21人組の本格的なジャズバンドの演奏会にゲスト出演。小松は金色の服に黒の蝶ネクタイの正装で登場しましたが、それだけで笑いを取っていた。長年培ったコメディアンの存在感ですね。挨拶後、爪楊枝みたいな指揮棒を振って即席の指揮者になるという得意芸のひとつを披露。続いて女性コーラスをバックに持ち歌の『しらけ鳥音頭』を熱唱した。また新ネタのショートコントも披露して大爆笑と割れんばかりの拍手を浴びていました」(スポーツ紙記者)

 小松は故・植木等さんの付き人兼運転手を経て芸能界入り。ドラマからコントまで幅広くこなす活躍をしてきた。

「世間からヒントを得た独特のギャグで親しみやすかった。役者としても“間抜けな役”をやらせたら天下一品。台詞も間抜けな『小松の親分』は本人のニックネームにもなりました。それでいて、暗い人、怖い人の役もこなした。盟友の伊東四朗(78)が『こんなに引き出しのある人はいない』とベタ褒めしています」(旧知のテレビ関係者)

 76年、その伊東とコンビを組みテレビ番組で披露した「電線音頭」は子供たちに大人気に。その勢いのまま2年後に小松が出したのが「しらけ鳥音頭」だった。

「トボケた顔で歌う〈しらけ鳥飛んでゆく、南の空へ。みじめ、みじめ~〉の歌詞と奇抜な踊りは60万枚を超す大ヒットとなり、大人から子供まで口ずさんでいました。忘年会では自分の会社を揶揄するような感じで、サラリーマンの間で歌われていましたね」(音楽関係者)

 小松がジャズ会場で“伝統芸”を復活させた意味を芸能デスクが解説する。

「小松は今年、芸能生活50周年を迎え、“しらけ鳥”などを入れた記念アルバムを出す。若い人もターゲットにした仕上げだそうですが、まずは小松の全盛期を知る世代の感触を確かめる意味もあってジャズ会場を選んだそうです。そういう意味では成功したのではないでしょうか」

 小松は現在、森繁久彌、森光子といった偉大な先人たちが務めた「日本喜劇人協会」10代目会長の肩書を持つ。“喜劇界の親分”でもあるのだ。