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『ひよっこ』、前原、日テレのドン それぞれの「回想法」

「週刊文春」9月21日号 最新レビュー

2017/09/16
note

 認知症の予防に、放送中の朝ドラ「ひよっこ」が効果的と説くのは、今週の文春記事「『ひよっこ』で認知症を防ぐ」だ。

 有村架純にムラッときて頭が冴えわたるとか、そういう話ではなくて、このドラマには団塊の世代以上にとって懐かしい光景がちりばめられており、それらをきっかけにして昔の記憶を掘り起こしていくことが、認知症の予防になるのだという。

有村架純 ©鈴木七絵/文藝春秋

 これは「回想法」といって、「過去のことを振り返ることで脳が活性化されたり、人生を捉え直すことが精神の安定につながる」ことに着目した心理療法とのこと。とりわけ“恋バナ”が効くそうだ。

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 文春最新号から、そんな具合に脳にいい、回想にちなんだ記事を2つ紹介する。

これが恋バナかどうかはともかく、前原誠司

 文春記者に否応なしに回想させられたのが前原誠司である。今週の右トップ「前原誠司民主党代表 北朝鮮美女のハニートラップ疑惑」は、99年に前原が北朝鮮を訪問した際に撮られた、現地の女性と仲睦まじくする写真を文春が入手したというもの。

 これが恋バナかどうかはともかく、問題の写真を見せられた前原は、「河原でお昼を食べたときに、女性が二人いたのを覚えています」と18年前を回想する。昼飯が菓子パン2つだったら川に投げ込んでしまいそうな前原だが、実際はバーベキューだったそうで、「約二時間で、その時だけ女性はいました」などと述懐している。

18年前を回想 ©杉山秀樹/文藝春秋

 問題の写真を撮った主は、京都の老舗織物会社の会長。記者が会長の手元にも写真はあるのかと質問すると、こう答えている。

「いや、現物とネガは三年ぐらいまえに前原さんが『あの写真どうしました?』と連絡してきたので、全部渡しました」

 前原は記者に問われて18年前を思い起こしていったのではなく、ずっと気にし続けていたのかもしれない。