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偽メールに幻の山尾幹事長 前原誠司「持ってない」伝説

「決断」に難あり ©時事通信社

「やっぱり持ってないなあ」

 幻の幹事長人事を受けて思わずこう漏らしたのは、民進党の衆院議員である。

 山尾志桜里氏を幹事長に起用しようとするも、不倫問題で断念に追い込まれ、就任早々つまずいた前原誠司代表(55)。彼の政治人生を振り返ると、驚異的に「不運」なのである。

 まず、前原氏が民主党代表だった2006年、「偽メール事件」が発生する。同党が堀江貴文氏が自民党幹部の親族にカネを振り込むよう指示したとのメールを国会で取り上げて追及したが、これが捏造メールであることが判明する。質問した永田寿康氏は議員辞職し、前原氏も代表辞任に追い込まれた。

 偽メール事件の最中には、党重鎮の渡部恒三氏が、前原氏ら党幹部を激励しようと、福島・会津地方の名産品「起き上がり小法師」をプレゼントした。だが、前原氏が転がすと、起き上がるはずの小法師が起き上がらないという珍事が発生。運悪くテレビカメラが回っており、「起き上がらない小法師」は、暗い前途を予感させるニュースとして報じられてしまった。

 民主党政権時代の2011年3月6日には、外国人から献金を受けていたとして外相を辞任した。

「後から振り返れば、自民党にも外国人からの献金を受けている議員は少なくなく、辞めるような問題ではなかった。潔さという自分の美学に殉じたのでしょうが、辞任の5日後に東日本大震災が発生し、外国人献金問題は忘れられた。あのまま閣内にいたら、菅直人首相の退陣表明を受けての代表選で、野田佳彦氏に負けることはなかったかもしれない」(政治部記者)

 そして、今回の“山尾幹事長”人事である。

「140人いる民進党議員の中で、今一番の“キラーカード”を引き当てたのは神業に近い」(同前)

 今思えば、9月1日に行われた代表選の最後の演説では「政権交代を実現しようではありませんか!」と言うべき部分で「実現」と言えずに噛んでしまう場面もあった。

 そんな前原民進党の足元を見た安倍晋三首相は、28日召集の臨時国会冒頭で衆院を解散する意向だ。

「共産党とは距離を置く姿勢でしたが、離党者が相次ぎ、最後は共産党頼みになりそうです」(前出・民進党議員)

「持ってない男」前原氏は、民進党最後の代表になってしまう可能性も……。