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小石 輝
2017/09/24

映画「ワンダーウーマン」から読み解く「社内事情あるある」――ダイアナの正体は花咲舞だった!?

サブカルスナイパー・小石輝の「サバイバルのための教養」

©2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.AND RATPAC-DUNEENTERTAINMENT LLC

 アメコミ原作のノーテンキな映画を観ているはずが、いつのまにか職場での生々しい人間関係に思いをはせている自分に気づくのが、映画「ワンダーウーマン」の不思議なところ。それも「ああ、主人公のダイアナ(=ワンダーウーマン)みたいな女性、ウチの会社にも結構いるよなあ」というノリで。

 仕事熱心。共感力にたけていて、曲がったことは大嫌い。「顧客本位」「企業の社会貢献」などの正論をガンガン主張し、それが実現すれば世の中はよくなる、ということを信じて疑わない。ダイアナが、「悪の神を倒せば、この世界を覆いつくす戦争(舞台は第一次世界大戦時のヨーロッパ)はあっという間に終結する」と心から信じているように。

 こういうタイプの女性、元気はいいけどまず出世できません。出世するのは、女性らしい上司に対する細やかな気配り(たまにお色気を併用する人もいますが)を失わず、しかも「会社の空気」「会社の論理」を踏まえたそつのない仕事ができる人。「男社会としての会社」に適応し、それに対する忠誠を誓った女性たちなのだ。

 だけど、ここにはパラドックスがある。

 今の世の中、女性への期待が高まっているのは、まさに「男たちが作ってきた閉塞感に満ちた会社・社会」の突破・打破が求められるからだ。「男の論理を体現するような女性しか前面に出られない」男女共同参画社会なんて、従来の男社会の焼き直しに過ぎないではないか。稲田朋美前防衛大臣が安倍総理に重用されたのはその典型例だろう。

 では、元気がいい女性たちの「身近な人々や弱者に対する共感力と、それに基づく突破力」を、実際に会社・社会を変革する力として活かすにはどうすればいいのか。