昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

燃え殻
2017/10/07

燃え殻さんが学んだ「どんなに親しくても全部を共有しなくていい」ということ

燃え殻さんに聞いてみた。

Q 妻を義母の臨終に立ち会わせることができなかった私。どう謝ればいいのでしょう……

 先月末、義母が亡くなりました。妻はその時に間に合いませんでした。間に合わなかったのは私が看病に戻る妻を一晩引き留めたからなのです。

 遠方に一人暮らしをしていた義母が心筋梗塞で緊急入院して1週間後、容態が安定したので、妻は一旦自宅に帰ってきました。すぐ看病に戻ろうとした妻に「一晩ゆっくりして」と私が話したその夜に容態が急変したのです。倒れる前日に妻は義母と電話をしていました。義父の3回忌と家族旅行の相談です。妻の電話から私に漏れ聞こえてくる義母の口調は、いつもと変わらないものでした。

 彼女からもだれからも間に合わなかった理由を聞かれることはありません。私が毎日そのことを思い出すだけなのです。妻にどう謝ったらいいのでしょうか。燃え殻さん、私はどうしたらいいでしょうか。(50代・男性・会社員)

A それでも謝りたい気持ちが消えないのなら

 前に付き合っていた女性に「全部言ってね」と言われたので全部言ったら大げんかした経験があります。その時にどんなに親しくても全部を共有しなくていいんだ、というかそれを気遣いというんだ、と学びました。一晩引き留めた側からすると一生単位で心残りかと思いますが、一生単位で忘れず心に留めていたとしたら、もうそれでいいじゃないですか。そんなに全部後悔なく生きられませんよ。て、50代の男性に自分が言うのもはばかられるんですが、若輩者ながらそう思います。

 人間のほとんどは「後悔」と「なにくそ」と「仕方ない」で出来てると信じている自分としてはそう思うのです。それでも謝りたいという気持ちが消えないのなら、晴れた日の朝、彼女がケラケラ笑ってる時を見計らってさりげなく「あの時はごめん」と小さく言ってみるのはどうでしょう。蛇足でしょうか。蛇足ですね。それもありかと思いますが、きっと誰からもそのあと、あなたが問いつめられない状態を考えると「もうそれはいいって」と言われるような気がします。やっぱり蛇足ですよ。もうそれはいいですよ。

「○○さんに聞いてみた。」のコーナーでは、みなさまからの質問を募集しています!

質問投稿フォーム