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人気作家3人の記憶をめぐるエルゴポック革物語

吉田修一・北方謙三・保坂和志

PRsource : 週刊文春 2017年10月4日号

 良質な素材と日本製であることにこだわるエルゴポックのバッグは、持つ人の人生に寄り添い、ともに時間を過ごしていく良き相棒でもある。人気作家3人がエルゴポックの革製品と、その人生を重ね合わせた、記憶をめぐるストーリー。

Story1 吉田修一 「『物語』と出会うとき」
Story2 北方謙三 「皮と革」
Story3 保坂和志 「忘れられない革の財布」


記憶をめぐるストーリー3

保坂和志 Kazushi Hosaka

時を重ね、使いこむほどに味わいを増すワキシングレザーの長財布。細部の使い勝手にこだわり、磨き続けたロングセラー。¥24,000(税別)ダークブラウン、W19×H10cm。他にブラック、ブラウン、グリーン、ネイビー、レッドの全6色。牛革、日本製/エルゴポック

忘れられない革の財布

 小さいころ母の実家で年の離れた従兄姉たちの末っ子みたいに育ったので、夏も冬も春も、長い休みはほとんどそこで過ごした。

 小学五年の夏の終わり、田舎を発つ荷物をまとめていると奈緒子姉が私の壊れかけた小銭入れに目を止めた。

「和志、こんな汚ないの持ってるの?」

 二年前の夏休みに奈緒子姉が買ってくれたのだ。隣の文房具屋で売ってたビニール製のやつだ。ジッパー部分もビニールで、札は八つに畳まないと入らないが、ふだんは札なんか持ってない。小銭入れの必要さえなかったけど、大事だからいつも持ち歩いてた。

 奈緒子姉は今回はちゃんとした財布を買いたかったが、時間がない。私がこれでいいと言っていたら、英樹兄が、

「俺のおさがりを持っていけ」

 と言ってくれたのが、革の財布だった。私は大事で使えなくて、自分の小遣いでビニールのやつを買った。英樹兄の財布は机の一番上の引き出しにしまって、中学の終わりちかくまで眺めるだけだった。

INFORMATION

10月3日(火)~11月4日(土)
東京ミッドタウン ガレリアB1Fに期間限定でエルゴポックのポップアップショップがオープン

■エルゴポック hergopoch.com
お問合せ:キヨモト NC事業部 TEL 03-5843-9011

Photograph: Fumito Shibasaki

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