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大磯町の“まずい給食”問題 結局だれが悪いのか?

「小中学校給食の残食率は全国平均で7%程度ですが、大磯町の2つの町立中学校は平均26%。照り焼きハンバーグがメニューだった5月29日にいたっては、なんと55%という異常事態です」(全国紙社会部記者)

 大量の食べ残しが発覚した神奈川県大磯町立中学校の給食問題。多くの生徒が口を揃えて訴えるのが、その味だ。

これは正しい給食 ©iStock.com

「校内の調理室で作る学校給食ではなく、デリバリー方式です。大磯町から20kmも離れた工場で作られ、食中毒など衛生上の問題で、20度以下に冷やして運搬されてくるので、カレーや肉類の油も固まっている。さらに病院食のように味が薄いそうです」(同前)

 更に深刻なのが異物混入の多さだ。昨年1月の給食開始から髪の毛や虫、金属片など96件も確認されている。

 両校に給食を提供していたのは東京に本社を置くエンゼルフーズ社。大磯町から年間3300万円で事業を受託している。同社は、19日付で次のような文書を取引先に流していた。

「(自前の弁当との)選択制であれば、食べたくなければ注文しなければいいで済んだ」、「2校のうち1校の学校にのみ混入している」、「弊社で混入したと考えにくい案件も含まれます」などと、責任逃れに終始する内容だ。

 大磯町議会の吉川重雄議員が語る。

「まるで生徒たちが故意に異物を入れ、騒ぎを大きくしたと言わんばかりで、非常に腹立たしい思いです。また大磯中で59件、国府中で37件、異物混入が見つかっています。なぜ1校のみなどと主張したのかわかりません」

 そもそも、スタート時から“問題あり”の業者だったという。

「給食開始初日である昨年1月12日、我々町議が両校に出向き、生徒たちと机を並べて一緒に食べました。その初日に早速、髪の毛の混入が1件あり、町と教育委員会に厳しく抗議しています」(同前)

 ところが、町側は今年の2月まで調査を指示していなかったことから、エンゼルフーズ社との不自然な関係まで噂される始末。

 いずれにせよ一番の被害者は両校の生徒たちだ。「空腹で5、6時間目の授業に集中できない」という声を、関係者はどう聞くのか。

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