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東京五輪は全種目メダルも!? 日本バドミントンがここまで強くなった理由

北京五輪では5位入賞のオグシオ ©文藝春秋

 9月24日まで東京体育館で行なわれていたバドミントンの最高グレードの国際大会の1つ「ジャパンオープン」で、日本勢が躍動した。

 世界選手権金メダルの奥原希望こそ準決勝を怪我で欠場したが、女子ダブルスでリオデジャネイロ五輪金メダルの高橋礼華、松友美佐紀組が優勝。男子ダブルスは井上拓斗、金子祐樹組、ミックスダブルスは保木卓朗、廣田彩花組が日本勢初の決勝進出で準優勝を果たした。

「まぎれもなく世界の強豪国の1つになったと言えます」 と語るスポーツ紙五輪担当記者は躍進の理由を明かす。

「日本バドミントン協会は20年ほど前から小学生の全国大会を創設したほか、10代の有力選手を集め技術や経験を積む場を設けてきた。地道な強化が実を結びつつある」

 協会関係者は、こう語る。

「もともと日本選手の技術は低くないとされていたが、結果が出なかった。そこで04年、韓国の五輪金メダリスト朴柱奉氏を監督に招聘。彼は日本選手の意欲が弱いと指摘し、世界で勝つ意識を植え付けた。さらに高校時代から走り込んで持久力をつけた選手が増えてきて、日本人の武器である俊敏性を勝負所で出せるようになりました」

 この関係者によると、躍進を支えた要素がもう1つ。

「北京五輪に出場したオグシオこと小椋久美子・潮田玲子両選手の功績が大きい」

“オグシオブーム”により、競技人口が増え、協会登録選手が協会に支払う登録料収入も大幅に増加したという。

「その増加分を強化費にあてたおかげで海外遠征の回数も増えた。実はオグシオ人気は協会が写真集の刊行、ポスターへの起用など意図的にプロモーションを仕掛けた成果。その戦略も見事でした」(同前)

 こうなると、2020年の東京五輪が楽しみなところ。

「金メダル複数と全種目メダル」(同前)という目標も夢ではないと前出のスポーツ紙記者は言う。

「女子シングルスなら奥原に加え山口茜、大堀彩ら楽しみな選手がいますし、女子ダブルスは世界ランキング10位以内に日本勢が4組もいる。層の厚さを考えても日本の強さはまだまだ続きそうです」

 今大会にはかつてないほど多くの観客が詰めかけた。東京五輪に向け、日本“シャトル”の軌道は極めて順調だ。