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連載THIS WEEK

ついに“創業家”に大政奉還
竹下派復活を阻む中途入社組

source : 週刊文春 2016年11月10日号

genre : ニュース, 政治

総理3人を生んだ竹下派

 10月26日夜、額賀派(平成研究会)の会長が「額賀福志郎元財務相から、竹下亘国対委員長に交代する」との情報が永田町を駆け巡った。

 この日は、自民党の総裁任期が3期9年に延長され、安倍晋三首相が2021年9月まで続投できる環境が整ったタイミング。翌27日の定例派閥総会で額賀氏は「私と竹下さんが、この問題で話し合ったことはない。これからも現執行部体制で運営したい」と交代を否定したが、派内では「額賀さんも72歳。早晩辞めるだろう」(自民党関係者)と見られている。

 背景にあるのが額賀氏の存在感の薄さだ。額賀氏は平成研の源流・田中派に所属し、竹下登元首相がクーデターを起こした勉強会「創政会」に最初の秘密会合から参加した「生え抜きのエリートだった」(古参秘書)。党三役の政調会長、財務相などの要職を歴任し、2009年に派閥領袖になったが、一度も総裁選に出馬できていない。

「本人は意欲満々だったが、派内の人望は薄く、青木幹雄元参院議員会長の了承が得られなかった。青木さんは『365日朝昼晩がある。人とメシを食いに行け。それを続けろと言ったんだがなあ』とこぼしていました」(同前)

 いまや「政策通になろうとしても中途半端で、政局観もイマイチ。派閥会長になれたのが出来すぎ」(同前)との評が一般的だ。

 後任に取りざたされた竹下氏は70歳間近だが、額賀派議員は期待を込めて語る。

「閣僚ポストも人に譲る“竹下流”で人望も厚い。『創業家』に大政奉還することで、最強派閥だった『竹下派』の名前が復活し、平成研への求心力が高まる」

 いまだ影響力を持つ青木氏は、竹下氏でつなぎ、「政治とカネ」問題で謹慎中の小渕優子氏で、ポスト安倍を狙うとの構想を描いているという。

 ただ、「竹下派」には障害が一つある。途中入社組の茂木敏充政調会長が禅譲を狙っていることだ。10月27日の派閥総会で真っ先に「わがグループは額賀会長を中心としてやっていこう」と訴えたのも茂木氏。現在、党中枢で、菅義偉官房長官との関係も近い。

「菅氏が額賀氏と握って、平成研を茂木氏に譲るという話が出て、青木氏に近い議員は警戒感を強めています」(前出・額賀派議員)

「歌手1年、総理2年の使い捨て」と言ったのは登氏だったが、総理は9年、領袖が使い捨ての時代である。