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プチ鹿島
2017/10/06

「解散の大義」読売、朝日、日経の“情報戦”を読み解く

「丁寧な説明」をする読売にすかさずツッコむ朝日

「首相の消費税公約 漂流」(朝日新聞 9月26日)
「突然の『合流』民進漂流」(朝日新聞 9月28日)

 政策も、人も、漂流ばかり。

 小池百合子氏の登場で混とんとなった解散総選挙だが、まず今回は「大義」について振り返ってみたい。

解散の理由を「丁寧に教えてくれた」読売新聞

 9月17日に「首相、年内解散を検討」と各紙突如咲き乱れた。

 翌日、解散の理由を「丁寧に教えてくれた」のは読売新聞。

「消費税10% 使途変更問う」(9月18日)という小見出しに続き、

《2019年10月の消費税率10%への引き上げ時の増収財源の使い道について、国の借金返済から幼児教育無償化など子育て支援の充実に変更することを争点に掲げる方針だ。》

 とぺらぺらと説明してくれた。

解散の大義とは? ©時事通信社

 すると朝日新聞が翌日、「急転公約『大義』に疑問」「消費増税使途変更 首相、直前には慎重姿勢」(9月19日)。

《財源議論はこれから。首相自身も今月12日、日経新聞のインタビューでは使途の見直しに慎重姿勢を示したばかりだった。》

とツッコむ。

日経の首相インタビューと「矛盾」

 では首相インタビューが載った日経新聞をみてみよう。

「社会保障改革 財源に苦慮 消費増税『予定通り』」(9月13日)

《消費増税分の使途を見直し、教育無償化などの財源に充てることには慎重姿勢を示した。》

9月13日日経朝刊の首相インタビュー

 確かに「慎重姿勢」と書いてある。つまり首相はこのあと数日間で考えを変え、それどころか「消費税の使途変更を問う」と解散を決めたことになる。

 当然のごとく解散の大義について疑問の声が起こる。

「後付け『大義』矛盾」(毎日新聞 9月26日)

 毎日は、25日の首相会見での「国民の信任なくして国論を二分するような大改革を前に進めていくことはできない」という発言をとりあげ、

《民進党は首相が表明する以前から消費税増収分を充てる方針を掲げており、国論を二分する争点にはなり得ない。》

 と、前原氏が提唱していた政策だったことを指摘。

 例えていうなら、ライバルのネタで漫才コンテストの決勝に出ようとしてるのが今回の安倍首相だろうか。

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