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特集神童は大人になってどうなったのか?

東大にもっとも近い「筑駒」の神童は、大人になってどうなったのか?

東大にもっとも近い「筑駒」の神童は、大人になってどうなったのか?

日銀総裁、AV男優、早大総長、共産党書記局長、カジノで106億円負けた経営者

2017/10/06

 筑波大学附属駒場高校(筑駒)は神童の楽園である。とにかく東京大にもっとも近い。合格者数がいちばん多いのは開成だが、合格率となると筑駒は63.8%と群を抜く(1学年定員160人、現役合格は74人。現浪合わせての合格102人)。ちなみに開成は40.5%、灘は43.2%である(2017年)。

東京大学・赤門 ©文藝春秋

 中学受験で筑駒は難易度がもっとも高いといわれている。実際、筑駒と開成、あるいは筑駒と麻布の両方に合格した場合、筑駒を選ぶ生徒のほうが多い。

 日本でいちばん頭がよい小学生が集まってくる筑駒には、神童がひしめいている。『神童は大人になってどうなったのか』(太田出版)で神童を追い求めて、筑駒、その前身の教駒(東京教育大学附属駒場高校)OBを探ってみた。

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 まずは神童の誉高かったのが日銀総裁の黒田東彦(1963年卒)である。愛称クロトン。

黒田東彦氏 ©文藝春秋

 教駒時代は図書館の本をすべて読みつくしている。東京大法学部在学中に司法試験に合格。国家公務員試験に2番で合格する。卒業時も首席に近かった。黒田の教駒、東京大時代の同級生で政治家になった自民党の細田博之(1963年卒)の話。

「彼は一種の天才ですよ。がり勉タイプではないが、読解力が極めて高く、教科書など書籍を読めば、書かれている内容が一度ですべて理解できてしまう。また無類の本好きで、授業以外の時間は図書館にいることが多かったですね」(「週刊新潮」2013年3月7日号)。

 細田は元通産省官僚である。筑駒OBには官僚からの政治家転身が何人もいる。経産省出身には齋藤健(1978年卒)、鈴木隼人(1996年卒)。齋藤は今年8月に安倍改造内閣で初めて大臣となった。財務省(大蔵省)出身に後藤茂之(1974年卒)、田村謙治(1986年)。警察庁出身の葉梨康弘(1978年卒)。女優の水野真紀を妻に持つ後藤田正純(1988年卒)の大おじは警察庁長官、内閣官房長官、法務大臣をつとめた後藤田正晴だった。

細田博之氏 ©文藝春秋