昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

連載尾木のママで

尾木 直樹
2017/10/12

尾木ママ「“いじめ調査”教育委員会の態度に問題あり!」

イラスト 中村紋子

 新学期に入って中高生の自殺が続くのには胸が痛みます。ボクが最近特にショックなのは、いじめ調査に関して、開き直りのような態度を示す教育委員会の出現!

 川口市の中学三年の男子が一年の頃からいじめを受けている問題。先月、文科省が被害生徒の家族から直接事情を聴いた。彼は昨年九月から半年間不登校になり、自傷行為もあった。文科省が定める「重大事態」に該当することは明白よ。母親は、市教委・学校に何度相談しても事態が改善されないので、県教委と文科省に訴え続け、今年二月にやっと第三者委員会が設けられた。ところが、第三者委が個々のいじめ行為を具体的に認定しようとしないの。第三者委の調査経過報告の際、市教委は自らのいじめ調査の判断基準について「いじめ防止対策推進法に基づくものではなく、社会通念上の判断で認定している」と発言したとか。これは法律違反よ! 文科の指導すらまともに受け止めようとしない態度には言葉を失うわ。

 しかも、学校はこれまでの経緯について事実を認め謝罪も行っているのに、「いじめとは判断できない」として他の保護者やメディアに対して説明を避け続けているの。この男子生徒には行きたい高校がある。進学のためにもと、四月に登校を再開はした。でも、今もいじめは続いている。

 二年前、都立小山台高校の男子生徒が列車へ飛び込み自殺した件でも、都教委は先日「いじめがあったと判断するのは極めて困難」と発表。遺族は都知事に再調査を求めると記者会見したわね。

 ボク、断言するけど、「いじめ調査」はいじめの有無を判断するものじゃない。いじめがどういう構造でなされたのかを解明するためなの。

 真実を知りたい家族、過酷な状況でも前を向いて生きようとする子供に寄り添わなくて、何のための教育委員会なの!

はてなブックマークに追加