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クイズ王という人生 「ウルトラクイズの人」能勢一幸の場合

クイズ王という人生 「ウルトラクイズの人」能勢一幸の場合

伝説のクイズ王が語る、あのブームと現在

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『アメリカ横断ウルトラクイズ』の覇者にして、“クイズ王ブーム”を牽引した能勢一幸さん、現在48歳。なぜ90年代、日本はクイズに熱狂したのか、そして「クイズ王という人生」とは――自らを語っていただいた。

クイズ王・能勢一幸さん

異動の際には「クイズ王が行くぞ」と……

――わざわざ文藝春秋までお越しいただいてすみません。

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能勢 文春から麹町の日本テレビまですぐ近くですよね。ウルトラクイズで成田に出発するときの集合場所だったので、思い出しますね。

――1992年に『アメリカ横断ウルトラクイズ』が終わってからずいぶん経ちますが、能勢さんといえば、やはり「ウルトラクイズの人」というイメージが強いと思います。今でも「ウルトラクイズの……」と言われたりしますか?

能勢 そうですね、最近でもたまに道すがら声をかけられることもありますし、職場、埼玉県庁なんですが、その異動にあたっての歓送迎会では必ず言われますね。部署を移る前から「クイズ王が行くらしいぞ」って噂が飛んだりですね……(苦笑)。『ウルトラクイズ』は、今の『高校生クイズ』の元になった番組だということで、クイズ好きの中学生、高校生は、過去の放送をYouTubeで見て、私を知っているという方もいるようです。

――お子さんは、お父さんが『ウルトラクイズ』で優勝されたことはご存じなんですか。

能勢 はい。私が91年に優勝して以降も数年に1回はテレビに出る機会があったので、「パパ=クイズ」というイメージは子どもにあったみたいです。何年か前に優勝時のウルトラクイズのDVDを見せてみたんですが、何せ25年以上前の映像ですから「これパパなの?」って言っていました。

ウルトラクイズ優勝旗を手に。 写真提供:能勢一幸さん

「早押しごっこ」しながら中学校に登校してました

――いつからクイズを自分で勉強しようと思ったんですか?

能勢 うーん。中学生のときにはもう、友だちと「早押しごっこ」しながら学校に通っていたんですけど……、やっぱり父親の影響もあるかな。クイズ番組が好きな父で、1回だけですがクイズ番組の予選を受けに行ったほどの人で。16年前ですが、『クイズ$ミリオネア』の収録に連れていったら大喜びしてくれました。

――能勢さんのクイズ番組デビューは何になるんでしょうか。

能勢 中学生のときに予選に行った『スーパーダイスQ』です。TBSのお昼に放映されていた、土居まさるさんが司会のクイズとゲームの番組です。ルールは私もあまり覚えてないですね。ペーパーテストは通ったんですけれど、面接で真面目くさったやりとりしかできなくて本選には出られず、それで自分を変えなきゃいけないと思ったきっかけでもあります。