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【日本シリーズ】異例ずくめの秋季キャンプで感じた、井口新監督の強い意気込み

文春野球コラム 日本シリーズ2017

2017/11/04
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実戦の場でこそ選手は成長する

 秋季キャンプで特徴的なメニューが投手陣の練習にもあった。キャンプ初日からフリー打撃に今季、7勝を挙げるなどローテーション投手として活躍をした二木康太投手が登板。その後も続々と投手陣がマウンドに上がり、打者と対戦した。今後もシート打撃を行うなど実戦形式の練習がどんどん組み込まれていく。これまでもマリーンズの秋季キャンプではブルペンで投げ込むことが主で、実戦形式はほとんどなかった。しかし、今年は違う。練習のための練習にならずお互いが対戦をする中で磨き上げていく。実戦の場でこそ選手は成長するという考えの下、どんどん実戦形式の練習が組み込まれ、そして独特の緊張感が生まれていた。そのメインイベントの一つとして11月5日の日曜日にはマリーンズの秋季キャンプでは異例となる紅白戦が11時から組み込まれた。

「日曜日だし、多くのファンの方に来てもらって紅白戦を盛り上げたいよね。選手の頑張っている姿、変わろうとしている姿勢を見て欲しい」

 指揮官は手ごたえがあるからこそ、今までと違うマリーンズの姿を多くのファンに実際に目にしてもらい、来季への希望を感じてもらえたらと願っている。だからこそ、強く来場を呼び掛けた。

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 世間はホークス対ベイスターズの日本シリーズ一色である。その中で千葉県鴨川市にてマリーンズは朝早くから体を苛め抜くキャンプを張っている。全体練習、個別練習、肉体強化メニューと続く毎日。それでも選手たちが弱音を聞くことは一切ない。キャンプ初日の前夜。キャプテンである鈴木大地内野手の部屋を訪れると、日本シリーズのナイター中継を見ていた。画面に映るホークスの選手たちがキラキラと輝いているように感じた。

「日本シリーズに出たいですね。この時期、あそこに立っていたいですね」 

 その言葉がすべてを表している。だから秋季キャンプで徹底的に汗を流す。限界ギリギリまで体をいじめ抜く。耐え忍ぶ秋。そして収穫の秋。来年こそはあの舞台に立つことを信じて、男たちは鴨川秋季キャンプで鍛錬の日々を送る。日本シリーズ第7戦が予定されている5日はマリーンズにとっては紅白戦の日。そこには栄光はない。だが悔しさをぶつける男たちの気持ちを感じることの出来る試合である。多数のマリーンズファンの皆様のご来場をお待ちしています。

梶原紀章(千葉ロッテマリーンズ広報)

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