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ゲス&美人弁護士 「恩讐の彼方」への旅路

「週刊文春」10月19日号最新レビュー

2017/10/14
note

「ベッキー禁断愛 お相手は紅白初出場歌手!」、これがあのときの、中吊りの見出しだ。それほどの知名度ではないとの判断だったのだろうか、ここに川谷絵音の名はない。

 この記事で一気に名が売れるが、その反面、離婚したり、その後に起こした未成年者との飲酒問題(これも文春)で活動停止となったりと、決して順調ではない音楽活動と私生活を送ることになる。

「黄桜」のCMを見るような思いだ

 その川谷絵音が、ゲスの極み乙女。のメンバーとともに紀尾井町の文藝春秋本社に乗り込んだ。題して「『ゲス極』川谷が文春にやって来た」。この白黒グラビア記事には、週刊文春編集長の席に座っての一枚が掲載されている。

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《「こんな日が来るとは思ってなかったなぁ」
休日課長がポツリと漏らした。
われわれも同感です。》

 まるで手打ちの場面である。「空白の一日」という因縁とわだかまりを抱えた、江川卓と小林繁が語り合う「黄桜」のCMを見るような思いだ。

小林繁(左)、江川卓(右)©近藤俊哉/原田達夫/文藝春秋

 新曲「あなたには負けない(Short ver.)」のMV中に、かのスキャンダルを報じた号の表紙を模した「週間人春」があった。それをきっかけに文春側から「MV撮影に協力出来ることがあれば」と提案し、この訪問が実現したという。(注)

 ゲスの極み乙女。と週刊文春、音楽とスキャンダル、道は違う両者がかつて交錯し、それが恨みも生んだろうが、それぞれの本業でもって相対する。

「音楽は本気でやってるんで、それを面白く見せる、こういうやり方があってもいいのかなと思って……。今日は来れてよかったですよ(笑)」

 こう語る川谷絵音、その文藝春秋訪問はまさに「恩讐の彼方に」であった。(菊池寛だけに)