昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

連載THIS WEEK

初の野党連携に乗り出した小泉進次郎“改革”の苦境

source : 週刊文春 2016年6月16日号

genre : ニュース, 政治

参院選後には入閣も?

 単独で行われることが決まった参院選。今回も応援弁士として引っ張り凧なのが小泉進次郎・自民党農林部会長(35)だ。

「党本部では、切り札として激戦区に集中的に投入する予定です」(政治部記者)

 そんな最中、進次郎氏と民進党の連携が、6月1日付の日経新聞で報じられ、永田町で波紋を広げている。進次郎氏が、参院選後に、自民党と民進党の若手を集め、超党派で農業政策の勉強会を立ち上げるというのだ。

 進次郎氏が、民進党側のカウンターパートに選んだのは同期の玉木雄一郎衆院議員(47)。先の通常国会で、西川公也元農水相がTPP交渉の内幕を描いた暴露本の原稿をすっぱ抜いて「新・爆弾男」と呼ばれている3回生だ。

 ノンフィクション・ライターの常井健一氏が舞台裏を語る。

「2人が急接近したのは、昨年の天皇誕生日。皇居であった祝賀の儀の帰り際、農政通の玉木氏が自民党のTPP対策を取りまとめたばかりの進次郎氏を捕まえ、『上の言いなりになるな』と物申したことがきっかけです。その様子を菅義偉官房長官は怪訝そうに見守っていたとか」

 その後、2人は秘書を介さずに連絡を取り合う仲になり、会食などで親交を深めた。そして、今回、勉強会発足にまで至ったのは、両者の抱える苦境があったという。

「政府の産業競争力会議の片棒を担がされ、農林族と官邸の間で右顧左眄する状況から脱したい進次郎氏と、長引く野党暮らしに喘ぎ、政府の政策に持論を反映させたい玉木氏の思惑が一致した。今後は表面上、政局とは一線を画す立場を強調しながらも、安倍政権後の農業政策を練りながら将来的な連携を意識した動きに発展する可能性もあります」(同前)

 早速、3日には進次郎氏がお膳立てする形でJAグループの機関紙・日本農業新聞で玉木氏との対談が行われた。ただ、進次郎氏の“決起”に対し、自民党内では反発の声も広がっている。

「ぶち上げた『農林中金不要論』も『厚労省分割案』も党内では話題にもならず、参院選の党公約にも反映されませんでした。進次郎氏の掲げる改革が関係団体の反発を呼び、参院選の逆風になると懸念する声もある」(自民党関係者)

 参院選で激戦区と目される北海道、東北は農業票が多い。進次郎氏の応援で勝利に導けるか。

はてなブックマークに追加