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北関東ナゾの“県庁所在地の駅”「前橋」には何がある?

ターミナルといえば高崎だが……

2021/06/14

genre : ライフ, 歴史, , 社会

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 群馬県の県庁所在地は、前橋である。と、子供の頃に学校で習った。習ったから前橋が県庁所在地であるのは間違いないのだが、大人になってあちこち旅をするようになると、前橋という県庁所在地の存在を感じることは意外と少ない。というのも、東京から群馬方面に向かうとき、ターミナルとして利用することになるのはきまって高崎駅だからだ。

 高崎はJR高崎線という路線名にもなっていて、上野東京ラインや湘南新宿ラインを通じて東京都心、ひいては神奈川方面までとも結ばれている。そんな事情もあって、県都であるところの前橋駅を訪れるような機会はほぼないといっていい。つまり、群馬県民の皆様はさておき、それ以外の地域の人にとって群馬県を代表するのはどうしたって高崎なのである。

ナゾの“県庁所在地の駅”「前橋」には何がある?

 それは駅の利用者数にも現れている。JR高崎駅の1日の平均乗車人員は実に約3万2000人。それが前橋駅になると約1万500人だ。実に3分の1である。まあ、高崎駅は新幹線も停まる上越方面と長野・北陸方面が分かれる交通の要衝、大ターミナルなのだ。だからこと“鉄道”に関して言えば県都の玄関口・前橋駅が大きく水をあけられているのも当然のことだろう。

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今回の路線図。ターミナルといえば「高崎」だが、県庁所在地の「前橋」に向かう

 とは言っても、前橋駅もれっきとした県都のターミナル。高崎と比較して地味だとか行く機会がないとか、そう言ってばかりもいられない。筆者のような生業ならば、せめていちどは訪れておかねばなるまい。

「高崎」をぬけて「前橋」に向かう

「前橋」を目指すがまずは「高崎」へ

 そんなわけで、東京から高崎線に乗って群馬県までやってきた。目的地はもちろん前橋駅なのだが、そのためにはひとまず高崎駅に行くことになる。そこでJR両毛線に乗り換えて約15分。利根川を渡ったすぐ先にあるのが前橋駅だ。

 新幹線がやってきて駅ビルも立派で駅の周りには商業施設が建ち並ぶザ・ターミナルの高崎駅。それに対して、前橋駅はどんな駅なのか。きっと県都の玄関口らしい立派な駅に違いない……。