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森岡 英樹
2017/10/23

日本株高騰 自民勝利の立役者は「ブラックロック」?

巨額の公的マネーも後押し ©共同通信社

 衆院選の最中、株価が高騰している。10月13日の日経平均株価の終値は2万1100円を超え、およそ21年ぶりの高値となった。

 個人消費は伸び悩み、景気回復の実感が薄い中、なぜかくも株高なのか。

「世界経済の回復と株価上昇で投資余力の高まった海外投資家が、日本株の幅広い銘柄に買いを入れている」(大手機関投資家)

 日本の株式市場ではGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)と日本銀行の巨額マネーが流れ込み、株価の下支えをしていることが、投資家の安心材料になっている。

「いまや、日本株式の保有第1位がGPIF、3位が日銀です」(同前)

 では、2位は一体何者か。

「アメリカに本拠を置く世界最大の資産運用会社ブラックロックです」(同前)

 運用資産は今年6月末で5.7兆ドル(約640兆円)に上る。リーマン・ショック直後の2009年には、当時、世界有数の運用会社だったバークレイズ・グローバル・インベスターズを買収した。

 ブラックロックは、上場投資信託(ETF)に強く、バークレイズから継承したETFのメジャーブランド「iシェアーズ」を持つ。

「統計的に、個別株で運用するアクティブ運用より市場全体に投資するパッシブ運用がリターンを上げやすいことが認知され、年金などの巨額資金がETFに流れ込んでいます」(金融関係者)

 ブラックロックは、今年6月末時点で、26兆円の日本株を保有するが、その8割超を株価指数などに連動するパッシブ運用が占める。

「パッシブ運用は、手数料が安いため、マイナス金利で運用に苦慮する地域金融機関の資金などが大量に流入している」(同前)

 そのブラックロックが、昨年12月に日本株の投資方針を「中立」から「強気」に引き上げて以降、日本株の上昇が続いている。

 大量保有報告書によれば、5%以上の株式を保有する日本企業は200社に及び、日経平均採用銘柄が多数を占める。

 衆院解散の直前、訪米した安倍晋三首相が朝食を共にしたのが、ブラックロックのCEOだった。衆院選勝利の最大の立役者はブラックロックかもしれない。