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女優・徳永えりが憧れる、明石家さんまと“菩薩さまみたいな”あの女優

徳永えりインタビュー#2

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いい子だと思われたい感じが、ずっと抜けなくて

――抜けるきっかけは何だったんですか?

徳永 ここ最近の話になってしまうんですけど、『マンガ肉と僕』という映画に恋愛依存の女の子の役で出演したんです。もともと私は『フラガール』の李相日監督、『春との旅』の小林政広監督に、いわゆる「追い詰められる演出指導」を受けていたので、じゃあ今回は自分でどこまでやれるだろうかって、自分の首を絞めるつもりで役に臨んだんです。不安定になったり、フラフラになりながらやったんですけど、その上がりを見た時に「あれっ?」と思ったんです。思っていた以上に、自分が出せていなかった。そこで、パーンと何かが弾けて、開き直りじゃないですけど、だったら逆にノープランで演技に挑戦してみようと思ったんです。そこから、お芝居に行き詰まるということはなくなりました。頭で考え続けることはやめて、全力で、楽しいって思えるようにまずはやってみようと。

 

――演じることに思い詰めてしまうタイプだったんですね。

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徳永 でしたね、ずっと。私にとっての最初の監督は『放郷物語』の飯塚健監督で、その影響も大きかったと思います。細かい指導をしてくださる監督で、10代の揺れ動いている時に出会った大人でもあるし、吸収したことはたくさんありました。役作りのために自分の中でその人物の年表を作るようにしたりとか、いろんなものを詰め込んではみたんですけど、自分で自分をがんじがらめにしてしまったところがあったんだと思います。

――もともと、真面目なタイプだと自分では思いますか?

徳永 そうですね……、単純に怒られるのが嫌なんですよ。怒られたくなくて、みんなにいい子だと思われたい感じが、ずっと抜けなくて。10代の頃は優等生の役も多かったし、自分でも自分に「しっかり者」のレッテルを貼っているところがありました。今では、それほど人の目は気にしなくなりましたけど、それでもちっちゃく点数稼ぎしたりとか、その小賢しい感じが抜けきらないかなあ(笑)。まだまだ演技者としての道は模索中ですね。

 

ずっと稽古していたいタイプ

――演技の勉強のためにどんなことをしていますか?

徳永 最近あまり行けていないですけど、舞台を観に行くのは好きです。私、舞台の稽古が大好きなんです。

――稽古ですか?

徳永 毎日みんなと顔合わせて、同じことを何度も何度もやって最善のものを追求していくのが面白い。ずっと稽古していたいタイプで、本番は来ないでほしいっていつも思うんですけど(笑)。