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「洗剤量は衣類の重さで決める」は大間違い! 部屋干ししても臭くならない“正しい洗濯”のやり方とは

「洗剤量は衣類の重さで決める」は大間違い! 部屋干ししても臭くならない“正しい洗濯”のやり方とは

『ナチュラルおせんたく大全』より #2

2021/08/16
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「洗濯したのに嫌な臭いがとれない」「梅雨時はいつも部屋干し臭に悩まされる」「なぜか洗濯物が黒ずんでしまう」……。日常的に行う家事の一つにもかかわらず、洗濯について悩みを抱えている人は多いもの。

 本橋ひろえ氏は、そんな洗濯についての悩みを、主婦目線、かつ科学的に解説するナチュラルクリーニング講座を日本各地で開催している。ここでは同氏の著書『ナチュラルおせんたく大全』(主婦の友社)の一部を抜粋。勘違いしやすい洗濯機に関する誤解の数々を紹介する。(全2回の2回目/前編を読む)

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洗濯機を回すだけで汚れが落ちる……のは幻想 

なぜ汚れが落ちるの?

 

ステップ1

洗剤と水(洗濯液)の力で、汚れを水中に移動させる。

ステップ2

すすぎと脱水で、衣類に残る汚れを1%未満まで薄める。

汚れを水に移して排水、その繰り返しが「洗濯」

 さて皆さん、洗濯機の中で汚れが落ちるのはなぜだか知っていますか? 洗濯機はある意味、ブラックボックス。中で何がおこなわれているのかわからない、という人は多いのではないでしょうか。

 簡単に言えば、洗濯機は「衣類から出た汚れを水で薄めて排水する機械」です。汚れを衣類から溶かし出しているのは、洗濯機ではなく洗剤に含まれる界面活性剤と水。洗濯機はそれを助ける存在なのです。

写真はイメージです ©iStock.com

水流がこすり洗いしている……はカン違い

水流は何のため?

 

繊維の中から汚れを引き出すため。

汚れを水中に分散させるため。

手洗いだってゴシゴシは無用です

「洗濯機の水流が、洗濯物をゴシゴシもんだりこすったりして洗っている」と信じている人も多いようです。洗濯=ゴシゴシ洗う、というイメージがあるようですが、違います。

 汚れを落とすのに大きな働きをしているのは界面活性剤です。洗濯機の水流は、繊維の中の汚れを効率よく水の中に流し出すためのもの。

「ゴシゴシこすらなくていいの?」と聞かれますが、はい、こすらなくていいです。繊維はこすられると、けば立ったり、傷んだりします。黒いTシャツが色あせてくるのは、色落ちしているからではなく、繊維がけば立って白っぽく見えてくるせい。手洗いでも洗濯液(洗剤と水)を浸透させ、やさしく押し洗いすれば汚れは落ちます。こすり洗いが必要な襟袖などは事前に手でもみ洗いして。